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名(迷)言に読むクレジットクランチ

  • 本多 秀俊

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2008年11月5日(水)

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 金融界に吹き荒れるクレジットクランチ(信用収縮)を揶揄し、ロンドンの老舗デパート、セルフリッジスが「クレジットクランチ」なるお菓子を売りに出した。カルメ焼きをチョコレートでコーティングしたようなそのお菓子は、その謳い文句ほどに「尾を引く」味とも感じなかったが、危機を商機に変えてしまうユーモアには感心させられる。

 米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)に端を発した今回の信用収縮の意味を、識者や著名人が発したいくつかの名(迷)言から探ってみよう。

名(迷)言 1 「ソーセージの中身の肉が3%しか腐ってないからといって、それを子どもに食べさせる親はいない」

 これは英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙のジリアン・テット記者の言葉だ。ロンドンで某日系証券会社主催のセミナーに参加すると、テット記者が講師の1人として来ていた。その講演の中で、CDO(債務担保証券)など、一世を風靡した再証券化商品に組み込まれたサブプライム証券を揶揄して述べたものだ。

 再証券化商品とは、サブプライム証券、自動車ローン証券、学生ローン証券、商業用不動産ローン担保証券(CMBS)などといった、いわゆる証券化商品を担保に組成された証券。有り体に言えば、紙切れを担保に組成された2階建ての証券ということになる。様々な種類の証券化商品を混ぜ合わせ(分散投資)、返済順位に優劣をつけて切り分けること(優先劣後構造)で、その大部分がAAAなど「極めて安全」という格付けを与えられた。

 だが、ほんの一部を占めるサブプライム証券に値段がつかなくなることで、その全体の価値が誰にも判断できなくなってしまった。価値が分からない以上、値段をつけて売ることもできない。かといって、切り刻まれ、混ぜこぜにされて忍び込んだサブプライム証券だけを、今さら選別して切り離すことも不可能だったというわけだ。

名(迷)言 2 「厚化粧と6インチのハイヒールに目をくらまされている」

 これは世界最大の債券ファンドであるピムコのチーフ・インベストメント・オフィサー、ビル・グロス氏の言葉。上述の分散投資や優先劣後構造などを評価して再証券化商品などに高い格付けを付与していた格付け会社各社は、娼婦の厚化粧、ピンヒールや腰の刺青などに騙され、誘惑されている男のようなものだと酷評したものだ。

 グロス氏が2007年6月、投資家向けの月次レターにこのコメントを載せた数週間後に、大手仏銀BNPパリバ傘下の3ファンドが資産を凍結、株価急落、FRB(米連邦準備理事会)による公定歩合引き下げと、サブプライム危機は顕在化していった。

名(迷)言 3 「音楽が流れ続けている間は、踊りをやめることもできない」

 米金融大手シティグループで会長兼CEO(最高経営責任者)だったチャック・プリンス氏が、在任当時の2007年7月9日付のFTに対して発した言葉だ。この1カ月後に音楽は鳴りやんだ。

 この喩えは、プリンス氏が、流動性枯渇の危険性を認識していた事実を裏づけると同時に、当時の(そして恐らく現在も)金融機関の体質を如実に表している。監督当局の意向に戦略を左右される金融機関は、そもそも横並び意識の強い組織と言えるが、その横並び意識は「稼ぎの手口」にも適用される。

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