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「恐慌」正面突破~危機の教訓2002

エンロンが問う 米「3種の神器」

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2008年11月11日(火)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。この間、日本経済に深刻な影を落とす経済危機が繰り返し起きました。その都度、1929年「暗黒の木曜日」に端を発する世界恐慌の再来を恐れながらも、危機を乗り越えてきました。2008年秋、世界は同時株安と信用収縮に直面しています。創刊40周年カウントダウン企画として、過去の経済危機を伝えた記事を再録していきます。

第17回

2001年12月に、有力企業と見られていた米エンロンが経営破たん。
その後、米国では企業の決算に疑惑の眼差しが向けられ、投資家の不信感が高まった。
金融、会計など専門性の高い事業の暴走を会社が許したことから、内部統制の高まりへとつながった。

* * *

情報公開、役員会、外部評価も機能果たさず

2002年4月1日号より

 全米に衝撃をもたらしたエネルギー取引大手、米エンロンによる昨年12月の倒産劇。超優良会社の実態は粉飾決算の固まりにすぎず、乱脈経営には役員会や監査法人らも加担していた。

 投資家や政府はエンロンと同じように不透明な行動をしていた多くの大企業にも厳しい目を向け始め、世界のスタンダードとされた米国型経営の根幹を揺らしている。

 エンロン破綻であらわになった米国の企業統治(コーポレートガバナンス)の問題点を「企業の情報公開」「役員会」そして「外部機関の評価」の3点から検証する。

(酒井 耕一=ニューヨーク支局長)

 米国で7位の売上高を誇ったエネルギー取引大手のエンロンの倒産。

 電力やガスなどエネルギーの卸売りや先物取引で急成長した企業の破綻で明らかになったのは、すさまじいほどの「偽り経営」だった。

 2000年1~12月期の純利益は13億ドル(約1690億円)と発表していたが、昨年10月になり、実は1997年から合計で6億ドル(約780億円)の純利益を水増ししていたと発表。しかも、決算書には表れない3500もの投資組合を作り、その取引で損失を出していることも初めて明かした。

 驚かされるのは、経営陣をはじめとする重要関係者の誰もが、この乱脈経営について「詳しくは分からない」としている点だ。

 2001年8月まで同社の社長兼最高経営責任者(CEO)だったジェフリー・スキリング氏は、今年2月の米国議会の公聴会で「私は公認会計士ではないので(投資組合の損失などは)知らない」と繰り返した。

 大学教授や有力経営者など17人からなるエンロンの取締役会も「投資組合の危険性は予知できなかった」(社外役員として監査を担当していたハーバート・ウィンコー氏らが倒産後にまとめた調査報告書)。さらに公認会計士として監査していたアーサー・アンダーセンも「会社側から重要な情報をきちんと知らされていないので、誤りを見つけられなかった」(同社のジョゼフ・べラディーノCEO)と話す。

まかり通った無責任経営

 長年、粉飾経営を続け、その責任を追及されると、今度は誰もが知らぬ存ぜぬを押し通す。この現実は一企業の問題を超えて、米国企業の経営姿勢そのものに疑問を投げかけている。

 実際に、エンロンの倒産を機に、投資家や政府は多くの米国企業が取る不可解な行動に不信を持ち始めた。

 その疑いの視線は決算発表に代表される「情報公開」や「役員会」、そして会計事務所や弁護士、さらに証券アナリストを抱えた投資銀行など外部関係者の「企業評価の在り方」にまで向けられている。

 実はそれらこそ、これまで米国企業の経営の「3種の神器」、つまり健全さと強さを支える根本とされてきた。

 それがなぜ、どう崩れたのか。企業や政府は新たにどんな手を打とうとしているのか。項目別に見ていこう。

【情報公開】
経営報告誰のため? お化粧だらけの決算書

 今年に入り、米国の優良企業が決算報告の在り方について、次々と新しい取り組みを見せている。

 ゼネラル・エレクトリック(GE)やIBMが、この3月に例年より詳しく経営開示をした「年次報告書」を出せば、インテルやシスコシステムズは「これからは、分かりやすい四半期の決算書を作る」と宣言する、といった具合だ。

 名だたる企業が、業績開示について、いきなり熱心に取り組み始めたのは、エンロンの倒産がきっかけだ。

 エンロンの乱脈経営が明らかになるにつれ、それらの企業の株価が急落する現象が起きた。単に不安感からではなく、各社の決算書や会計手法が分かりにくいことに対し、投資家が「ノー」と言ったのだ。

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