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「恐慌」正面突破~危機の教訓2001

暴走する不良債権

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2008年11月13日(木)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。この間、日本経済に深刻な影を落とす経済危機が繰り返し起きました。その都度、1929年「暗黒の木曜日」に端を発する世界恐慌の再来を恐れながらも、危機を乗り越えてきました。2008年秋、世界は同時株安と信用収縮に直面しています。創刊40周年カウントダウン企画として、過去の経済危機を伝えた記事を再録していきます。

第19回

銀行に公的資金を注入すれば問題解決。
日本の数年前を振り返れば、ことはそう簡単ではなかった。
傾いた企業への貸し出しをどう値付けするか。
これから世界が向き合う重要な課題でもある。

* * *

特別検査まっ青「時価」の足音

2001年12月3日号より

金融庁は大口貸出先を対象にした銀行への特別検査に着手した。
主要銀行は不良債権処理額を大幅に積み増して世の不信に応えた。
債権の“時価”が定着すれば、兆単位の引当金でも不十分だ。

(廣松 隆志、田村 俊一、佐久間 庄一)

 フジタ向けの融資は、額面の8割引きまでならば売却可能――。

 ある生命保険会社が、この秋にまとめた社内資料の結論だ。この生保は、外国の投資銀行や投資ファンドに売却するため自社の債権について適正価格を算出した。フジタ向け債権については既に買い手側に売値を提示し、取引に向けた交渉に入った。

不良債権並みの大安売り

 フジタは1999年3月期に債務免除を受けたゼネコン(総合建設会社)だ。それでも、これまでの銀行の自己査定は、破綻懸念先以下に分類される不良債権ではない。銀行などが不良債権を額面の9割引きなど極端に安くたたき売ることはあった。しかし、銀行の査定に従えば、フジタ向け債権は元本はもちろん金利も支払われるのだから額面以下での売買など本来あり得ないはずだ。それが現実には不良債権並みの大安売りで処分されようとしている。外国人投資家や株式市場は、日本政府や銀行が発表する不良債権の範囲や総額を信用していない。この生保が詰めている売却価格は、日本の金融機関までもが自国の金融秩序と決別する表れだ。

 冒頭の生保が処分を検討しているのはフジタ向け債権だけではない。2002年3月期までに業績が低迷する一部のゼネコン向け債権をすべて売り切る。さらに翌年度には、商社向け債権の一部も売却を検討中だ。売却価格は、銀行の査定などを考慮せず、独自に担保価値や将来の収益を見込んで決定する。たとえ額面を大幅に割り込んでも、それを適切な価格と考える。

 11月12日、この生保が債権の売却を詰めていた頃、金融庁は銀行への特別検査に着手した。建設、不動産、流通など大口貸出先の企業を対象に銀行の査定が適切であるか、改めて検査するものだ。9月のマイカル破綻をきっかけに、銀行の不良債権問題の本丸は、大口貸出先企業になった。

 大口貸出先企業の債務者区分が正常先・要注意先にとどまるか、破綻懸念先以下の不良債権に改められるかが最大の焦点だ。破綻懸念先以下に転落すれば、小泉純一郎政権が主導する不良債権処理の枠組みに従って2~3年以内の最終処理となる。

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