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「成長」なくして、危機の終焉なし

G20開催目前、サミットでは何を議論すべきなのか

  • 勝藤 史郎

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2008年11月14日(金)

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 11月14~15日に先進・新興国20カ国・地域(G20)による緊急「金融サミット」がワシントンで開催される。その前哨戦とも言うべき9日のブラジル・サンパウロでのG20会合の声明文では、金融危機の原因として米国をほぼ名指しして先進国での金融監督の欠如を挙げ、その帰結としての新興国経済悪化と新興国への経済支援強化をうたったものになった。

 14~15日の金融サミットでは、金融監督強化・財政出動・金融政策などの分野の協調が取り決めていくのではないかと見られているが、こうしたテーマは既に先月の緊急協調利下げやG7会合などで国際協調の方向性は合意済である。14日からのサミットでは、より政治的なもの、または長期的展望からの議論になる可能性が高い。そこで必要な議論は、やはり「成長」である。

「所得再配分路線」のオバマ政権が意識すべきは

 11月9日のG20の声明文に戻ってみると、IMF(国際通貨基金)の支援策機能の拡大、金融監督の強化、新興国への配慮、などについて触れている一方で、商品価格下落の悪影響を受けた新興国の「成長」の回復の必要性、そして反保護主義も明記されている。

 G20会合の準備資料には、IMFが2009年の世界経済の成長見通しを大幅に引き下げ、特に先進国についてゼロまたはマイナス成長に引き下げたとの報道がいくつか引用されている。つまり、EU、新興国を含め世界経済にとって現在必要なのはやはり米国も含めた「成長」の回復なのだ。

 来年発足するオバマ民主党政権は、同じ経済危機の時期に発足した1980年代のレーガン共和党政権のような「成長」標榜政権ではなく、「国内の所得再配分」を掲げる政権だ。確かに、公的資金注入や第2次財政出動に後ろ向きだったブッシュ政権のスタンスに比べて、オバマ民主党が推し進めていくと見られる財政出動は短期的に米国経済を底支えする効果がより高い。

 世帯ごとに1000ドルの減税と500億ドルの連邦予算による州・地方政府支援は有効需要を創出するという意味で、共和党が主張してきた法人税減税よりも、直接的に消費と公共投資を通じた成長率の上乗せに寄与するだろう。将来10年にわたる600億ドルの公共投資拡大は、需要創出効果のみならず、老朽化の激しい橋梁や渋滞の絶えない高速道路という米国社会インフラの課題解決も同時にできる。その意味ではオバマ氏の政策は現在の国際的協調の方向性に沿ったものであると言える。

約900億ドルの小切手配布は個人消費を0.5%押し上げただけ

 しかし、財政出動だけでは持続的な成長はできない。オバマ氏の提案する短期的経済政策は、今年2月に成立実施された第1次景気刺激策とほぼ同様の規模で、米国GDPのほぼ1%に相当すると考えられる。第1次景気刺激策の目玉であった個人向け戻し減税は、900億ドル強の小切手を家庭に配布したものの、消費押し上げ効果は限定的であった。

 実際には消費されたのはその20%程度で、小切手配布期間にあたる4―6月期の個人消費を0.5%ほど押し上げたに過ぎない。オバマ氏の政策は公共投資をも含んでおり、今年の景気刺激策よりは効果が大きいと言えるが、オバマ氏の現在掲げる公共投資額は個人減税よりはるかに規模が小さい。いわゆる乗数効果を勘案しても双方で2009年後半の成長率を1%押し上げるには至らないであろう。

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