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「恐慌」正面突破~危機の教訓1993

「ドッジライン以来」とトヨタOB

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2008年11月14日(金)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。この間、日本経済に深刻な影を落とす経済危機が繰り返し起きました。その都度、1929年「暗黒の木曜日」に端を発する世界恐慌の再来を恐れながらも、危機を乗り越えてきました。2008年秋、世界は同時株安と信用収縮に直面しています。創刊40周年カウントダウン企画として、過去の経済危機を伝えた記事を再録していきます。

第20回

日本最強の企業、トヨタ自動車の利益が急激に落ち込み、関連企業が身構えたのは2008年が初めてではない。1993年6月期、トヨタの営業利益はピークの5分の1にまで落ち込んだ。当時の“トヨタショック”を振り返る。

* * *

製造業は暴風雨圏に、資本食いつぶす金型・工作機械

1993年9月6日号より

トヨタでさえもうからなくなった自動車の不振は、工作機械や金型など基礎的産業をなぎ倒しかねない。製造業の経営効率悪化は、企業内の潜在失業者を一挙に顕在化させる恐れもある。

(谷口 智彦、黒沢 正俊、長崎 隆司、金田 信一郎)

 トヨタ自動車が倒産の危機に直面した1949年(昭和24年)当時を身をもって知る現役の経営者は数人しか残っていない。トヨタ系ベアリングメーカー、光洋精工の坪井珍彦(うずひこ)社長はその一人。49年のトヨタ自動車工業入社と同時に襲ったドッジライン(インフレ抑制のための超緊縮財政政策)による需要急減の記憶が、今のデフレ経済の中で呼び起こされた。

 「今の日本経済はドッジライン旋風とともに人員整理の暗雲が日本中を覆った時以来の深刻な状況にある」。坪井社長は7月30日、組合幹部との懇談で現状認識をこう伝えた。「若い人にそんなことを言ってもピンとこないようだが、どんなに大変だったか説明するとシュンとしてしまった」と言う。

 当時、トラック、乗用車はさっぱり売れなくなり、49年11月から50年3月までの営業期の決算は、売上高20億7053万円に対して税引き前損益が7652万円の赤字。トヨタの赤字決算は、37年の会社設立直後とこの時しかない。賃金の遅配や欠配は恒常化し、50年には全従業員の2割弱に当たる約1600人を解雇。銀行から金融支援を受ける条件として販売部門をトヨタ自動車販売として分離(82年に再合併)せざるを得なくなった。

しぼむ自動車「18兆円需要」、通産省も気をもみ始めた

 現状はどうか。1ドル100円突破をうかがうほどの円高が定着した中で、トヨタが発表した93年6月期の決算は、坪井社長の危機感を裏付けるような厳しい内容だった。売上高こそ1%増えて9兆308億円となったが、営業利益は17%減の1036億円と3年連続減少し、ピークの5分の1だ。

 今年度の見通しはさらに厳しい。1ドル110円、販売台数3.3%減(国内販売は4.1%増)を前提に予想した営業利益は700億円(上期100億円)。前提条件は今のところ悪い方向に振れたままで、上期は営業赤字に転落する可能性が強まっている。ドッジライン時の資金繰り悪化の体験からため込んだ金融資産が生み出す利息・配当収入のおかげで、経常赤字の心配はない。だがトヨタでさえ本業で利益が出せない現状は、日本の製造業にとって危機と言うほかはない。

 49年当時の日本の自動車産業は、トヨタの首脳が頭を下げて頼んでも、支援に応じない銀行や、取引を中止するメーカーがあったほど小さな存在だった。今は日本経済の大黒柱である。

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