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「中国経済、2009年の7つのサプライズ」とは

  • 豊島 信彦

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2008年11月18日(火)

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 11月9日(日)、中国の温家宝首相は総額4兆元(約57兆円)に上る大規模な景気刺激策を発表した。その前日にブラジルで開催されたG 20(20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議で、議長国ブラジルのルラ大統領が「G7(主要7カ国)だけでは世界経済の問題を解決できない」とし、「新興国の貢献は必要不可欠だ」と訴えた。今回の中国の経済案はまさに、その要請に真っ先に応えるタイミングとなった。

 G20に参加していた中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は、「中国は世界的な金融危機を注意深く見守っており、中国としては経済成長の維持と内需拡大を通じて、国際金融市場が安定するよう支援する」と述べた。

 中国経済は今や世界4位の規模であり、国際社会における影響は決して小さくはない。10%台のGDP(国内総生産)成長を四半期ベースで10期にわたって続けてきたが、7~9月期は9.0%とここにきて陰りが出てきた。

中国のGDP成長率と鉱工業生産の伸び

巨額の投資そして減税の実施

 これまで中国政府は、発展途上国であるとして、経済や環境問題など、国際的な貢献という点では目立つ存在ではなかった。今回の景気対策は規模の面で中国史上最大であるだけでなく、国際貢献という立場を打ち出したのは大きなサプライズと言える。

 温家宝首相は「財政投融資は迅速、かつ強力に推し進めなければならない」と発言した。具体的には2010年までに、住宅、地方のインフラ、医療システム、環境改善などに4兆元規模の投資を行うほか、付加価値税の試験的導入により、法人税を年間1200億元軽減する。

 また2008年第4四半期(10~12月)のうちに、政府系ファンドから1000億元規模の投資が行われる見通しだ。さらに、人民銀行では今後、IMF(国際通貨基金)と積極的に連携し、国際金融市場の安定に向けて支援を行う旨も発表した。

人民元の対ドル相場

 このようにして中国は日毎にその存在感を増している。その中国が来年以降、どう展開するか、ということについて10月末、米国コンサルティング会社のマッキンゼーがその四半期レポートの中で、2009年から中国で起こるかもしれない7つのサプライズという趣旨の興味を引く分析をまとめた。中には冗談めいた話まであるが、次代の中国像を考える機会にはなる。それぞれについて検討してみた。

マッキンゼーがまとめた7つの中身

 第1は、2009年には「中国が2020年までに国内を走る自動車の半分を電気自動車にする」という投資計画を発表するという話だ。中国政府は数年前、2035年までに国内生産の半分を電気自動車にするという計画を発表したことがあるが、さらに一歩踏み込んだ内容だ。強烈な話だが、石油を輸入に頼り、慢性的な大気汚染に悩むこの国には電気自動車は極めて有効だ。

 今年9月、米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏が傘下企業を使って中国の自動車・電池会社BYD(香港上場)株式の10%を2億3000万ドルで買収した。その後、同社の株価は8香港ドルから16香港ドルと倍になっている。マッキンゼーはそのBYDか、あるいは中国トップの自動車メーカーの上海汽車が21世紀のフォードになるかもしれないと書いている。

 第2は、メキシコ全体を50年間借り上げる、つまり租借地にして、そこで中国製品を作り米国に売り込むというもの。中国は今、人件費が上昇、米国市場にも遠いため、コストダウンを図り、消費地に近い工場を建設しようということ。とんでもない話だが、今の中国が世界の製造業の下請け拠点で居続けるのは難しいという見方が背景にあるのだろう。マッキンゼーは、欧州の拠点としてはトルコを借り上げるとよいとしている。

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