- 1時限目
- 世界金融危機とその影響 他人事でない日本の企業と家計
- 2時限目
- サブプライムローンの仕組み証券化でリスクの所在があいまいに
- 3時限目
- 金融危機に至る経路 金融機関同士の不信増幅
- 4時限目
- 市場の失敗 誰も制御できなかったバブル
- 5時限目
- 危機終息のための手立て 「政治の失敗」克服が決め手
- (放課後)
- 今だから言えること… 私が考える信認危機の本質
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講師:竹中平蔵 | 受講生:長田俊樹 | 受講生:杉谷直子 |
慶応義塾大学教授。小泉純一郎内閣で金融担当大臣に就任し、1990年代以降の日本の金融危機に対応した。 | 電機メーカー勤務、26歳。入社3年目の営業マン。商談中に金融危機の話題が出るが、気の利いた話ができない。 | アパレル会社勤務、24歳。マーケティング部門在籍。新聞はよく読むものの、金融の仕組みが今ひとつ理解できない。 |

2時限目は、金融危機の引き金となったサブプライムローンとその証券化について説明します。
サブプライムローンとは、信用力の低い人に対する住宅融資です。過去に借金を返済できなかった人や所得の低い人が住宅を購入する際に、金融機関から借りたものです。
普通、金融機関はこうした人にはお金を貸したがりません。貸し倒れのリスク(危険性)が高いからです。ところが、米国で証券化の技術と市場が発達したことで、金融機関がそうした人にお金を貸しても、利益を上げられるようになりました。そこで、サブプライムローンが急速に広まっていったのです。

先生。証券化と聞くと、マネーゲームを連想します。証券化自体に問題があるのではないですか。

確かに日本ではそうした議論が多いけど、海外ではそんな話を聞いたことがありません。例えば株価が乱高下するからといって株式会社や株式市場の制度そのものを否定するような議論は起きないでしょう。証券化についても同じです。
もし「証券化が良いか悪いか」と問われれば、迷わず「良い」と答えます。証券化によって企業の資金調達が容易になり、事業を拡大できるチャンスが広がるからです。企業は資金を金融機関から借り、一方でその金融機関は、投資家から資金を集めることができます。こうして企業活動が活発になれば、経済全体にもプラスになります。
「こどもニュース」でしかないとのコメントに同意するも、昨今のニュースワイドショー劇場とそのコメントの質の低さ等からしても、「こどもニュース」と思える位でないと一般に近いところにまで届かない恐ろしい現状があるのでしょう。(2008/11/21)