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危機克服のカギは、「アニマルスピリット」

  • ロバート・シラー

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2008年11月25日(火)

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 現在世界経済が抱える根本的な問題は、景況感の深刻な悪化だ。商業銀行、投資銀行ヘッジファンドはいずれも、自らの凋落によって今日の問題を抱えている。その結果、企業や起業家の投資や開業、家計の消費といった行動が危機的に低下している。

 英経済学者ジョン・メイナード・ケインズが述べた有名な言葉を借りれば、我々の「アニマルスピリット(野心的意欲)」が弱まっているのだ。私はノーベル賞受賞の米経済学者ジョージ・アカロフ氏とともに、この言葉をタイトルにした本をちょうど書き上げたところだが、この冬の後半に本が出版となる頃、世界経済は今よりも悪い状態に陥っているかもしれない。

 世界各国は積極的な景気対策や救済措置を実施し始めている。それでも、経済見通しは依然として暗い様相を呈している。IMF(国際通貨基金)の最新の予測では、先進諸国経済は2009年に0.3%のマイナス成長となる見通しだ。このような先進諸国のマイナス成長は第2次大戦後初めてである。

景況感はいかにして測定できるのか

 景況感の悪化への取り組みが難しい一因として、そもそも景況感を測るのが困難な点が挙げられる。

 米民間調査機関のコンファレンスボード(全米産業審議会)による米消費者信頼感指数は今年10月、1967年の調査開始以来最も低い値となった。世界52カ国を調査対象とする米調査会社ニールセンの世界消費者信頼感指数は、2005年の開始時には137だった指数が最新の調査では84に低下した。

 だが、こうした調査は単純な質問に対する手短な回答を集計しただけで、その意見がどれほど強い認識なのか、状況変化が景況感にどう影響するか、今後数カ月や数年の間に人々が重要な決定をする際、実際にどう行動するのかを、調査から読み取ることはできない。

 基本的に現在の景況感の悪化は、2007年に始まり今年9月に深刻化した金融市場の混迷が影響したものだ。世界中で金融機関の破綻懸念が生じ、政府が必死に金融機関の救済を行おうとしたことで、警戒意識が高まった。

 また、人々の記憶が現在の野心的意欲に及ぼす影響もある。人々は大恐慌について十分な知識を持ち、現在との類似性を見いだしている。多くの人は3カ月物米国債(財務省証券)の利率が、2008年9月にわずかながらマイナスになったことを認識している。これは1941年以来の出来事だ。

 株式市場がこれほど乱高下したのは、(1987年10月を除き)大恐慌以来だということも認識している。さらに、各国指導者は、今回の危機を大恐慌となぞらえるような見方を示し、異例の救済措置の妥当性を論じている。

ブラックマンデーとの違い

 経済の異常事態で、野心的意欲が必ずしも消滅するわけではない。一方で、経済的な激動がすべて同じような道のりをたどるわけでもない。

 例えば、1987年10月19日のブラックマンデーでは、株式市場は1日の値動きとしては史上最大の値下げ幅を記録した。米S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)のS&P(500種)株価指数は20.5%マイナスの暴落。英FTSE100種総合株価指数と日経平均株価は翌日、それぞれ12.2%、14.9%下げた。

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