• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

その額は約4兆円、電力に巨費を投じるインド

  • マニッシュ・バンダリ

バックナンバー

2008年11月25日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 インドでは今後、数年にわたり電力改革が大きく進展する見通しだ。言うまでもなく、電力は一国の経済を循環させる大事な血流だ。これまで、インドの電力事情は心もとなく、むしろ経済発展の足かせとなってきた。

 インド政府は深刻な電力不足を解消するために、気の長い対策を展開してきた。第1に、多様なアプローチによる発電能力の強化。第2に、送配電効率の向上。第3に、原子力、水力など代替エネルギーの開発である。

30%の電力が途中で失われている

 この中で特に重要なのが、第2の送配電効率の向上だ。インドの送電ロスの高さは、ナイジェリアやニカラグアと肩を並べる水準だ。インドでは発電した電力の30%が流通過程で消失しており、そのレベルは中国やパキスタンにも劣る。

 隣国のパキスタンでは送電ロスは26%程度であり、中国では信じがたいことに7%という数値が公表されている。国土があれだけ広いロシアでも12%である。ましてや西側諸国の平均6~8%と比べるまでもない。さらに、日本とドイツではなんと4%にとどまっている。

 インドでは1%の損失が生じると60万~70万キロワットの発電ロスにつながり、年間では50億ドルの損失となる。いくら、発電能力を強化しても送電ロスがあれば元も子もない。それだけに、各種の電力改革計画の中でも送電システムの改善が焦眉の問題となっている。

■インドの電力供給計画

5カ年計画 目標(1000kw) 実績(1000kw) 達成率・%
第1次 (1951-56) 1300 1100 84.6
第2次 (56-61) 3500 2250 64.3
第3次 (61-66) 7040 4520 64.2
第4次 (69-74) 9264 4579 49.5
第5次 (74-79) 12499 10202 81.6
第6次 (80-85) 19666 14226 72.3
第7次 (85-90) 22245 21401 96.2
第8次 (92-97) 30538 16423 53.8
第9次 (97-02) 40245 19015 47.5
第10次 (02-07) 41110 21180 51.8
第11次 (07-12) 78000

資料 :インド電力省

 こうしたインドの送電ロスについて、技術面から指摘すると、その4~5%程度は比較的低圧の電力(13万2000~40万キロワット)を長距離伝送することから生じる。低圧送電では、途中で熱や電磁エネルギーとなって電力が失われるのだ。

料金不払い、盗電も頭痛のタネ

インドの地域別送電ロス

 しかし、より大きい問題は、商業的な損失である。電力の計量が精緻でないことから発生する損失、さらには料金の不払いによるものだ。そこで、政府はこうした原始的なロスを含めて状況を改善するため、2001年に送電効率向上のための緊急改善計画(APDRP)を立ち上げた。

 もっとも、2007年までに送電ロスを15%に削減することになっていたが、この中央政府の計画は未達に終わっている。その理由は、一部の消費者による盗電、各州政府が実施している農家向け電力の無料化や送電設備の老朽化の影響がある。

 こうした問題に各地方政府は、様々な対策を施しつつある。北部のハリアナ州では、農家向け電力は補助金を直接支払うことで支援しており、これによって実際の電力消費や盗電の実態が把握できるようになった。

送電ロスに100億ドル、送電網建設に300億ドル

 さらに、中央政府でも先日、改定緊急改善計画を発表、送電ロス対策に新たに向こう5年間で100億ドルの予算を計上することになった。今回の目玉は、インドが得意とするIT技術で、これを駆使することで、今度こそ向こう5年以内に送電ロスを15%にまで改善する計画だ。

コメント0

「インドの魅力&魔力 投資編」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

プロフェッショナルとして、勝負どころで安易に妥協するなら仕事をする意味がない。

手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト