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「恐慌」正面突破~危機の教訓1998

公的資金注入でも貸し渋りは止まらない」

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2008年11月25日(火)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。この間、日本経済に深刻な影を落とす経済危機が繰り返し起きました。その都度、1929年「暗黒の木曜日」に端を発する世界恐慌の再来を恐れながらも、危機を乗り越えてきました。2008年秋、世界は同時株安と信用収縮に直面しています。創刊40周年カウントダウン企画として、過去の経済危機を伝えた記事を再録していきます。

第26回

金融機関への公的資金注入の枠組みが整い、株価は持ち直し。
2008年11月の世界経済は10年前の日本経済と相似形を描く。
しかし、かつての日本で信用収縮は止まらなかった。
次にどんな打ち手が必要なのか。

* * *

信用収縮はこれから本番、需要喚起と企業改革へ緊急提言

1998年11月2日号より

株価はやや戻ったが、日本経済は危機を脱していない。
貸し渋りは続き、企業の過剰設備の整理は待ったなし。
期限を定めた集中的な需要喚起策と、企業の経営改革を促す策。

(篠原 昇司、多田 和市、塩田 宏之、菅野 武、井上 俊明、橋本 宗明、
廣松 隆志、田村 俊一、金田 信一郎、小栗 太)

 金融システム不安が金融再生関連法の成立で薄らぎ、株価がやや持ち直したこともあり、日本経済にはひとまず一服感が漂っているようにみえる。だがその一方で、企業倒産の増加は一向に歯止めがかからない。

 帝国データバンクによると、1998年度上半期の倒産企業の負債総額は7兆9365億円と、上半期としては戦後最悪を記録。なかでも金融機関の貸し渋りによる倒産が4割近くを占めた。建設、商社、流通などの構造不況業種に加え、資金調達に行き詰まったベンチャー企業の破綻も急増している。次代を担う企業の経営が危ぶまれる現状は、日本経済が依然として危機状態にあることを物語っている。

 こうした現状に対し、回復のカギを握るのが金融機関による信用収縮の行方だが、見通しは非常に厳しい。日興リサーチセンターは、政府が銀行に課すとみられる貸倒引当金の積み増しのため、大手19行は4兆8000億円の自己資本を取り崩さなければならず、仮に19行が自己資本比率8%を維持しようとすれば、60兆円の貸し出しの圧縮が必要になると試算していた。これについては、日本興業銀行など大手行の多くが、早期健全化法の成立で可能になった公的資金による資本注入を申請する方針を打ち出したことで、ひとまず対応策ができた格好だ。しかし、それでも信用収縮に歯止めはかかるとの見方は決してできない。

 今後も信用収縮が続くとみられる理由は3つある。第1に、実体経済の悪化で赤字企業が増え、今のところ健全債権に分類している融資も今後、不良化する公算が大きいことだ。日興リサーチセンターのエコノミスト、佐治信行氏は「96年度に建設・不動産、97年度には卸・小売りやサービス、機械などが最終赤字に陥り、健全債権が劣化する恐れが強まっている。資本注入で自己資本比率が上がっても、不良化の恐れがある債権を回収するのは金融機関として当然の行動」と指摘する。

 第2に、地価の下落で企業の担保価値の目減りが依然続いており、担保不足の融資を放置しておけば、不良化するリスクが増大する可能性が高いことだ。まして国民の間に根強い反対意見がある公的資金の資本注入を受ける以上、回収に懸念がある企業の融資を安易に放置できない。実際、ある都銀では資本注入の申請の方針を固めたものの、支店に出している貸し出しの圧縮方針は依然として撤回していない。

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