• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「恐慌」正面突破~危機の教訓1992

実体経済への波及防げ

  • 日経ビジネス

バックナンバー

2008年11月28日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。この間、日本経済に深刻な影を落とす経済危機が繰り返し起きました。その都度、1929年「暗黒の木曜日」に端を発する世界恐慌の再来を恐れながらも、危機を乗り越えてきました。2008年秋、世界は同時株安と信用収縮に直面しています。創刊40周年カウントダウン企画として、過去の経済危機を伝えた記事を再録していきます。

第29回

企業買収、土地、発展途上国を対象に過剰な信用を創造。
その結果、バブルの生成と死を劇的なものにする。
投資銀行やファンドが主役だった2008年の話ではない。
1980年代、日米の銀行がたどった道だ。
主役は入れ替わったものの、歴史は繰り返す。

* * *

台頭する決済機能隔離論、信用創造の暴走に歯止めを

1992年11月30日号より

 ミクロとしての銀行の利益追求が、マクロの経済の振幅を必要以上に大きくする。ついには経済の中枢・決済システムを傷めることにもなりかねない。銀行を制御する策が必要だ。

(谷口 智彦、長崎 隆司、清水 功哉)

 80年代、日米で進んだ金融自由化。その帰結が、両国ともに膨らんだ不良債権の山であり、金融不況の深刻化だったのはなぜか。個々の銀行の行動という、ミクロの要因の集積を考えなければ、この因果関係は解けない。

 米国で--。優良企業は銀行からの借り入れをやめ、短期資金調達をCP発行に移行させた。80年代10年間で、CP発行額は1240億ドルから5490億ドルへ急増した。貸出先を失った銀行が、規模の維持と成長を求めて傾斜した分野が、三つのLだ。借り入れを使った企業買収(LBO)、土地(Land)、そして発展途上国(LDC)向け融資だった。結果は銀行破綻の連鎖。米連邦預金保険公社(FDIC)を通じて、巨額の国民の税金が銀行の整理救済に消費された。

 日本で--。86~89年の4年間、資本金10億円以上の企業の社債発行・増資などによる直接調達純増額は45.5兆円。一方、借り入れ純増額は21.8兆円。企業の銀行離れは日本でも大規模に起きた。

バブル生む投機的な融資拡大 景気後退を長引かせる貸し渋り

 市場を失った時、普通の企業なら資産を売り、能力を落としてしのごうとする。それが銀行に起きなかった理由は二つ。銀行は、あらゆる取引の中枢機能、決済のシステムを独占している。銀行破綻は、流動性を失う企業の連鎖的倒産につながる可能性がある。その恐怖感は、銀行が規模を維持・拡大することを正当化した。

 そして、貸し出しを通じて預金を作る銀行独特の信用創造機能である。

 「カネを貸すというより、カネを売っていた」(大手商社財務担当役員)。80年代の日本の銀行は、借金して土地・株を買い、その値上がりを担保にまた借金して土地や株を買い増す「投機部門」への融資で成長した。「ここでの融資は資金の多くが銀行セクターにとどまり、信用創造の乗数が高まる」(香西・日本経済研究センター理事長)。規模拡大には絶好だった。

 需要減退に合わせて信用創造機能を抑制すべきところを、無理にも需要を作った80年代の銀行の行動。今その逆回転の中で、金融システムへの不安感から株価は低迷、「今後の経済対策はまず銀行救済を念頭に置くものになってしまうのではないか」(田辺孝則・東京海上MC投資顧問副社長)と言われる状況となり、不況を深刻化させている。

 戦後の金融論をリードしてきた館竜一郎・青山学院大学教授は、現在の不況は「マネーパラダイム」でなく「クレジットパラダイム」でみないと理解できないと言う。

コメント0

「日経ビジネスが描いた日本経済の40年」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

もっと事業を効率化して、料金を下げて、消費者に貢献しないと業界はだめになってしまう。

和田 眞治 日本瓦斯(ニチガス)社長