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「恐慌」正面突破~危機の教訓1997

実体経済にも悪影響が表れ始めた

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2008年12月4日(木)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。この間、日本経済に深刻な影を落とす経済危機が繰り返し起きました。その都度、1929年「暗黒の木曜日」に端を発する世界恐慌の再来を恐れながらも、危機を乗り越えてきました。2008年秋、世界は同時株安と信用収縮に直面しています。創刊40周年カウントダウン企画として、過去の経済危機を伝えた記事を再録していきます。

第33回

11年前、日本で相次いだ大手金融機関の破綻。
企業の資金調達に悪影響が出ただけではなかった。
実体経済にも暗い影が。

* * *

企業の資金調達への打撃、消費意欲の減退に即効薬

1997年12月8日号より

大手金融機関の相次ぐ経営破綻の余波は、銀行の貸し渋りや消費マインドの悪化を通じて実体経済にも表れ始めた。政府、日銀は金融不安の払拭に躍起だが、それだけで景気は浮揚しない。今、日本経済の危機管理が政府に問われている。

(小栗 太)

 「大手行は自己資本比率を維持するために(全体で最大)30兆円規模の貸し出しを圧縮しなければならなくなっている」

 堀内光雄通産相は12月1日の国会で、貸し渋りの影響を尋ねた宮沢喜一元首相に対し、こう答えた。

額面割れが続出した株式市場

 山一証券の自主廃業で11月25日の株価が急落した結果、都市銀行、長期信用銀行、信託銀行の株式含み益が大幅に減少し、貸し出しを削減しないと自己資本比率を3月末時点と同じ水準に保てなくなったからだ。

 もちろん、株価が上昇すれば、圧縮額も変わってくるため、必ずしも「30兆円」もの貸し出し回収の必要性があるとは限らない。だが、通産省としては「貸し渋りがさらに悪化することを指摘しておきたい」という。

 それを裏付ける調査もある。通産省が11月下旬に全国の通産局を動員して実施したアンケート調査によると、以前から資金調達が厳しかった不動産やサービス、小売業だけでなく、繊維で36社中13社、鉄鋼で28社中13社、窯業建材で64社中19社が、都銀、地方銀行などから担保の上乗せや金利引き上げなどの要請を受けている。

 また、政府系金融機関が11月中旬に中小企業(4339社対象)に対する金融機関の貸し出し姿勢について実施した調査でも、9月中旬に比べて「厳しくなった」との回答が9ポイント以上増えて19.5%となった。「今後厳しくなる」との回答にいたっては、16ポイント近く増えて45.2%に達している。

貸し渋りに加え債券発行も難しく

 銀行の貸し渋りは、山一の破綻で株価が急落する前から始まっていた。10月の都銀の貸出残高は前年同月比0.4%減で、95年4月以来の減少幅を記録している。金融機関の連鎖破綻により、貸し渋りはさらに深刻になっている公算が大きい。

 慶応義塾大学の内海孚教授は「11月中旬以降は特に極端な貸し渋りになっているようだ。上場企業でさえ、担保の積み増しと新規融資の削減を金融機関から通告されたと聞いている」と言う。それだけに金融不安が「企業の先行きへの不安を増幅している」(通産省産業資金課)との警戒感は強い。

 さらに、年末にかけて企業の資金需要が強まることから、貸し渋りがそのまま経営の行き詰まりにつながる可能性も強まっている。なかでも構造不況業種であり、資金繰りの厳しい建設業。実際、山一の破綻後に株価が急落した局面では、銀行や商社と並んで建設株が大幅に売り込まれた。

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