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FRB、未曾有の低金利政策の次の一手は

  • 勝藤 史郎

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2008年12月12日(金)

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 FRB(米連邦準備理事会)は、12月16日に定例のFOMC(米連邦公開市場委員会)でおそらく追加利下げを決定、米国の政策金利は1%を下回る未曾有の低金利になるだろう。そこで注目されるのが、FRBの次の政策手段である。

 政策金利がゼロに近い水準にまで下がっても、米国経済はまだ回復の兆しすらない。急遽2日間に日程が拡大された12月のFOMCでは、FRBの今後の政策手段として、かつての日本銀行と同様のゼロ金利政策もしくは量的緩和政策を採用することが検討される可能性が期待されている。

 だが、政策金利を1%からゼロに引き下げること、また準備預金残高に目標を設けて銀行間市場の資金量を増大させることに即効的な効果があるとは思えない。むしろ、資産担保証券など信用資産の買い上げを拡大して、信用利回りの低下を促す方が信用収縮の収拾にはより直接的な効果がある。

FF金利は誘導目標の1%を大きく下回る

 既に知られているように、1%というFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標にもかかわらず実際に市場で取引されているFF金利は、その誘導目標を大きく下回っている。また、度重なる資金供給の拡大で、FRBにある預金銀行の超過準備は、準備預金残高の10倍以上に膨らんでいる(図参照)。

準備預金量の拡大とFF実効レート

 つまり、現在の短期資金市場は事実上ゼロ金利や量的緩和に近い状態にあるわけだ。そこへ、実態に合わせるように誘導目標を0.5%なりゼロなりに変更しても実態的には新たな緩和効果はない。

 また現在のFRBにおける法定準備に対する超過準備の大きさは、日銀の量的緩和期の超過準備よりもはるかに大きい。日銀の量的緩和政策期の当座預金残高目標の最大値35兆円は当時の所要準備預金残高の7~8倍であった。米国の場合は前述したように10倍以上になっている。

 量的緩和に限らず、市場や金融機関に資金や資本を政府や中央銀行が供給することの意図の1つは、金融システムの安定のために金融機関の日々の資金繰りをつけることである。もう1つの意義は、景気悪化時に見られる信用収縮において、供給した資金が企業や個人の貸し出しに回って信用が拡大することで経済を回復させることである。

 しかし残念ながら、銀行貸し出しの伸びは、中銀が銀行間市場に資金を供給しただけでは思うように拡大しない、というのが経験則である。中銀が供給した準備預金に流通現金などを加えたマネタリーベースは、中銀の緩和策によって拡大できるが、信用収縮が起きている間はそれがマネーサプライや貸し出しの増加にはつながらないのである。特に景気後退時には金融緩和策でマネタリーベースは増加するが、マネーサプライはそれに応じた増加を見せない(貨幣乗数が低下する)のが通常である。

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