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ドル高現象は1929年大恐慌の再現なのか

  • 吉本 元

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2008年12月12日(金)

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 金融システム不安から各国が景気後退入りし、英ポンドユーロなど欧州通貨やエマージング諸国の通貨が切り下がり、前回この欄で紹介したようにこれらの通貨に対してドルが相対的に高くなっている。

 1930年代の世界恐慌と各国の通貨利下げ、近隣窮乏化政策を彷彿(ほうふつ)させるとの見方も出ている。この歴史的事象は、現状を言い当てているのだろうか。

1929年大恐慌では、高関税化合戦で各国が対立

 1929年の大恐慌発生を受けて、米国は、30年にスムート・ホーレー関税法を制定、国内雇用の保護のために、外国製品に高関税を課す保護貿易を実施した。これに対して、欧州諸国や日本が通貨切り下げを行い、日欧は対米輸出を伸ばすことで景気回復を図ろうとした。米国は近隣窮乏化政策の被害者だとして、通商面で態度をさらに硬化させることになった。

 各国もそれに対抗して、高関税を掛けることになる。その後、日本やドイツが、高関税によって締め出された自国製品の行き場を求めた結果、列強間での利害の対立が先鋭化、第2次大戦勃発の原因を作った経緯がある。

関税率の推移

 現在、オバマ次期政権が、国内雇用をFTA(自由貿易協定)の拡大よりも優先させる方針を打ち出している。さらに悪い方に話が進むのだろうか? もっとも、こうした歴史的経験に基づく比較は、慎重に検証する必要があるだろう。金融サイドから見ると、当時との違いが明らかになる。

金本位制離脱と金融緩和の関係

 世界恐慌当時を振り返ると、各国の通貨切り下げは、金本位制の崩壊と同義である。これをドルの基軸通貨体制の崩壊に重ね合わせる向きもある。しかし、供給量、保有量がほとんど変化しない金と、供給量、保有量が必要に応じて増えるドルは、根本的に異なる点には注意したい。

 金本位制とは、自国通貨建てで見た金価格を一定に維持する仕組みである。つまり、通貨供給量を常に金の保有量に見合うようにコントロールすることになる。その結果、自国の金の保有量が変わらないのに通貨供給量だけ増えてインフレになる事態を防止することができる。第1次大戦後、戦費調達のために国債を発行し、その償還のために紙幣を増刷していたことが、欧州各国でインフレを招いたが、この対策として金本位制の維持、復帰が重視された。

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