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特別版II:「編集者Mの独白」

  • スティーブ・モリヤマ

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2008年12月18日(木)

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 私の名前はM。このコラムを担当している。

 最初に断っておくが、私は正真正銘、Mである。

 私と本コラムの筆者スティーブ・モリヤマ氏の共通点と言えば、イニシャルが同じ点ぐらいであろう。和風に言えばMS、洋風に言えばSMとなる。「それがどうした」と言われればそれまでだが、初対面から、私はこの人とただならぬ縁を感じていた。

 実は、最終回の後、読者の方々からアンコールリクエストが編集部や筆者に寄せられたため、第55回(特別版II)をお願いした。グランドフィナーレということで、「これまでとはガラッと違うトーンの、できるだけ軟らかめの内容でいきましょう」と依頼した。

 そこで、私が設定したタイトルは、

    “拡大欧州”女性のフェアバリュー(公正価値)

 というものだった。

 この企画について、モリヤマ氏が東京出張中、中2日という忙しさの中、都心のホテルのバーで深夜打ち合わせをした。「かなり軟らかめで恐縮ですが」と言う私の話を、彼はカクテルを片手に黙って聞いていた。この人は、酒は嫌いではないようだが、私の前ではあまり飲まない。出張中ほとんど眠らないそうで、酒を飲むと寝てしまうらしい。

 彼が欧州に帰った後、しばらくしてから、念のため、企画内容をまとめてメールした。ところが、いつもは非常に早いレスでこちらが面食らうほどなのに、全くレスがない。梨のつぶてだ。心配になったので、ブリュッセルに電話してみると、ベルギー人らしき、素敵な声の女性秘書が「アルメニア出張中です。携帯にお電話していただけますか」と、フランス語訛りの英語で言う。

 すかさず携帯に電話するが、何度かけてもつながらない。アルメニアか。あの回(“アルメニア:商人と美人の狭間で”)は、かなりPVも多く、あの文章を読んで、私自身もアルメニアに行ってみたい、と思ったものだ。

 しかし、それにしてもつながらない。アルメニアで事件に巻き込まれたのだろうか。異国で病床に臥しているのか。何度かけても、無機質な携帯の不通音だけがこだまする。

*   *   *

“和僑”Mとの出会い

 スティーブ・モリヤマ氏と初めて会ったのは、ちょうど昨年の夏のこと。氏の会社の日本法人の会議室で、出版したばかりの『ロシア投資・税務・会計ガイドブック』(中央経済社)の内容を基に、ロシアの経済動向などについて議論した。

 口髭をはやした恰幅の良い男性が、私を含めた複数のマスコミ関係者を相手に、熱心にプレゼンしていた。ちょうどロシア熱が沸騰していた頃だ。カタカナ名だが、日本語の訛りはない。日本人と言えば日本人だが、どう見ても日本のサラリーマンには見えない。定宿以外に宿泊すると、ホテルスタッフに英語で話しかけられるそうで、そんな話を聞くと私は、もしかしたら彼は華僑とのハーフかもしれないなとも思った。

 だが、彼は「私は“和僑”です」と言う。この人は、言葉遊びが好きで、しばしば韻を踏ませる。声は少しかれたハスキーボイスだが、記者たちからの質問を明快にさばき、そのプレゼンはつつがなく終わった。

 事務所に戻ると、Merci beaucoupという件名のメールが既に彼から入っており、私に対するお礼に加え、これまでの著書と執筆歴が簡潔にまとめられていた。著書10冊のうち専門書はそのロシアの本だけで(当時)、後は異文化コミュニケーション関係の著書や名言関連の本が多かった。その中で私の興味を惹いたのは、『人生を豊かにする英語の名言』(研究社)という本だった。

 版元が研究社なので辞書のように名言が列挙されているのかと思いきや、2ページごとに名言は1つだけで、メインは名言を彼流に解釈したオリジナルエッセーをページの見開きで読ませるという本だった。少なくとも、研究社にとっては、非常に珍しい企画の本だったに違いない。

 モリヤマ氏は、日本の“クールビズ”など目もくれず、いつもエルメスのネクタイとフランス製のスーツを着こなしている。だが、時計はしていない。聞いてみると、「縛られるのが苦手なんです」と言う。てっきり時間にルーズなのかと思ったのだが、どうやら時計の鎖に縛られる圧迫感が苦手なだけで、時間に縛られるのは楽しんでいるように見えた。氏の“イニシャル”の影響なのだろうか。

コメント5件コメント/レビュー

冒頭どこかで読んだようなデジャブ感を覚えつつも引き込まれ、最後の一行でやられました。「やっぱりアレか!」と。しばらく間をおいて、また情報提供いただけることを期待しています。(2008/12/18)

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いただいたコメント

冒頭どこかで読んだようなデジャブ感を覚えつつも引き込まれ、最後の一行でやられました。「やっぱりアレか!」と。しばらく間をおいて、また情報提供いただけることを期待しています。(2008/12/18)

東欧の女性と、西欧の女性を論じるなら、共産主義下での女性の社会進出など、そういった面にも触れていただきたかった。惜しい。(2008/12/18)

最後の行は、やはりそうでしたかと。でも、このコラムは海外を色々な視点で紹介していただけて非常に興味深いものでした。最終回?で完は残念です。できれば不定期でも結構ですので、続編を御願いします(特に混沌とした世界情勢の中でですので)。最後にMさん、お疲れ様でした、Yさんにもよろしく。(2008/12/18)

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