• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

オバマ流公共投資の成算は?

「速度」を優先するあまり「効果」が上がらない恐れも

  • 安井 明彦

バックナンバー

2008年12月19日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 バラク・オバマ新政権が実現を目指す景気対策では、公共投資が大きな存在感を示しそうだ。公共投資の景気対策としての役割が見直された格好だが、実施までの速度が重視されるだけに、効果的な投資になり得るかは疑問も残る。

 経済・金融危機への対応は、オバマ政権の最初の課題である。そのための第1歩が、大型の景気対策の実施だ。オバマ政権は、来年1月6日に開会される新議会で対策の審議を開始し、早ければ20日の政権発足当日にも、対策の成立を目指す方針である。こうしたスケジュールが実現すれば、景気対策としては異例の速さでの成立となる。

「速さ」と「規模」で前例を破る

 機動的な対応が比較的容易な金融政策に対して、財政を通じた景気対策は議会での審議に時間がかかるため、景気のタイミングに合わせた発動が難しいとされてきた。しかし、最近の米国では、景気対策が迅速に実施されるようになってきた。今年初めにジョージ・W・ブッシュ政権下で実施された景気対策も、議会の開会から間もない2月13日に成立している。オバマ政権はその記録すら破ろうとしている。

 異例なのは「速さ」だけではない。その「規模」もかなりの大きさになりそうだ。オバマ氏は「2年間で250万人の雇用を確保・創出する」として、一時的な対策ではなく、2年間にわたって継続的な対策を実施するという方針を明らかにしている。

 これに対応して、景気対策の規模もオバマ氏の選挙公約である1750億ドルを大きく上回り、少なくとも5000億ドルを超えることが確実視されている。今年2月の対策(1680億ドル)や、秋口に議会民主党が模索した第2弾対策(500億~900億ドル)と比べてもその大きさは際立っている。

 内容的にも、今回の対策は今年2月の対策とはずいぶん色合いが異なってきそうだ。2月の対策は、個人に対する「戻し減税」と企業に対する「投資減税」で構成されていた。しかし、今回の対策では、2月の対策には含まれなかった歳出面での対策が比重を増すと見られている。具体的には、財政難に苦しむ州政府への財政支援やインフラなどに対する公共投資である。

「歳出」の景気刺激効果に期待

 歳出面での対策が重視されている理由は、景気に対する影響の大きさにある。

 効果が薄いと見られているのが一時的な減税だ。2月の対策に含まれたような一時的な減税だけでは、今の景気を立て直すには力不足だという見方が大勢を占めている。消費者のセンチメントは極めて弱く、一時的な減税が消費に回される割合はかなり低いと見込まれる。そもそも前回の戻し減税についても、ハーバード大学のマーティン・フェルドシュタイン教授は消費に回ったのは2割程度に過ぎないと指摘している。

 もっとも、今回の対策でもその規模が大きくなるだけに、減税が含まれないという選択肢は考えにくい。実際、民主党のマックス・ボーカス上院議員は対策の半分程度は何らかの減税になるとの見通しを示している。

 他方で、景気に対する効果が大きいと期待されているのが、歳出面からの措置である。例えば州政府に対する財政支援である。Moody's Economy.comのマーク・ザンディ氏によれば、州政府に対する1ドルの財政支援はGDP(国内総生産)を1.38ドル拡大させる効果があるという。1ドルの戻し減税による効果(1.01~1.22ドルのGDP拡大)よりも効率は良い。

 連邦財政とは違い、州財政では景気後退期にもビルト・イン・スタビライザー効果(景気の変化に対応して税収や歳出が変化することで景気を自動的に安定させるという財政に備わっている効果)が働かず、逆に景気の足を引っ張ってしまう。赤字財政が許される連邦政府と異なり、ほとんどの州政府では州憲法によって均衡財政が義務付けられている。このため州政府は、景気が減速し、税収減や失業給付などの歳出増加といった圧力が財政にかかった場合、これに見合った歳出削減や増税を強いられる。

コメント0

「Money Globe- from NY(安井 明彦)」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

機械を売るんじゃなくて、電気が欲しい方に電気が起きる装置をソフトも含めて売るビジネスをしていこうと。

田中 孝雄 三井造船社長