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地域医療を“貸しはがし”から救った草の根の力

  • 内藤 眞弓

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2008年12月16日(火)

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 金融庁の監査を控えた山形県内のある地方銀行では、大きな問題を抱えていました。ある医療生活協同組合への融資が飛びぬけて大きく、その点を指摘されれば融資を引き揚げざるを得なくなるかもしれない――。融資先にとっては“貸しはがし”を意味します。

 消費生活協同組合法(生協法)の改正によって、生協も会社法に準じた経営が求められるようになりました。もし、貸しはがしという事態になれば、地域に展開している医療・介護関連の事業がとん挫してしまいます。

 さて、監査の結果はというと…。金融庁の調査官は「今後もずっとサポートしてあげてください」という一言を地銀の担当者に残して去っていきました。貸しはがしを免れたのは鶴岡市を拠点とする「庄内医療生協」。組合員からの出資総額は27億円、新規の出資金は年間3億円、債券は2億円集まっています。「それまでほとんど意識することはありませんでしたが、地域の組合員さんに支えられ、守られていることを実感しました」と理事の方はおっしゃいました。

要求するだけでなく運営もする意識を持っている

 医療生協とは、生協法に基づく地域住民の自主組織であり、住民自らが医療機関を所有・運営するとともに、そこで医療活動に従事する役職員、医療従事者との協同によって、自らの健康・医療・暮らしにかかわる問題を持ち寄り、解決のための運動をするものです。

 1口以上の出資をして組合員になると、健康診断や病気予防のためのメニューが利用できたり、医療生協の運営や医療介護事業に参加できたりするといったメリットがあります。様々なアイデアや意見を生協の運営に反映させることが可能になるのです。出資金は1口500円から2000円程度で、生協ごとに定めています。

 先述の庄内医療生協は、全国に116ある医療生協の中でも特に活発に活動している生協の1つですが、3つの大きな特徴があります。


(1)「必要が先にあり、制度は後からついてくる」という先進的な取り組みをしている

(2)要求するだけではなく、運営に参加もする組合員組織の強みが活かされている

(3)地域の多様な主体と協同するという新しい手法を取り入れている

必要に応えて先進的な取り組み

 庄内医療生協の中心となっているのは鶴岡協立病院です。医療過疎と言われる地域で、1976年に開始された訪問看護をはじめ、医療相談室、リハビリテーション病院開設、6時夕食(導入当時は5時が当たり前)など、地域初・県内初の取り組みを次々と行ってきた病院です。

 組合員からの「地域の中で安心して生活できる高齢者施設が欲しい」という要求にこたえ、1996年に老人保健施設(現在は介護老人保健施設)“かけはし”を設立しました。行政に頼るのではなく、庄内医療生協を中心に地域の団体との協同で設立したものです。

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