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保険はやっぱり義理人情

  • 内藤 眞弓

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2009年1月6日(火)

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 私は13年間某生命保険会社で営業職をしておりました。今でもその会社に対する感謝の気持ちは変わりません。右も左も分からない新人時代から、保険知識にとどまらず、税務や事業承継などの周辺知識や営業に関する技術など、たくさんの勉強の機会をもらいました。

 その会社への就職を勧めた人は、「保険会社という大看板を借りて自ら商売をするようなもの。厳しいけれどやりがいがある仕事よ」と、私の背中を思いっ切り押してくれました。彼女は小さな生命保険会社に勤めた経験があり、弱小の悲哀を身にしみて感じていたそうです。「看板は絶対に大きい方がいい」というのが口癖でした。

 実際に営業現場に出てみると、彼女の言葉の意味がよく分かりました。名刺1枚で、個人的には知り合うチャンスもないような地位の方とも対等にお話ができたことは、今の私にとって財産になっています。仕事のやり方や接待の仕方など、時には叱責されながら、お客様から教わったことも数限りなくあります。従来型の保険セールスについては「G (義理)N (人情)P (プレゼント)」と揶揄されることもありますが、まさに多くの方の義理人情に支えられた13年間でした。

保険会社に珍しい真っ正直な上司との出会い

 様々なタイプの上司とも出会いました。

 朝礼の進め方が絶妙で、話の構成や発声の仕方、身ぶり手ぶりなど、人前での話し方を勉強させてもらった上司、説得力のある資料作りに秀でた上司、怒鳴るばかりで、仕事を進めるには邪魔な存在だった上司、目上には大層腰が低いのに業者を虫けら扱いする上司などなど…。

 中でも印象に残っている上司は、私が会社を辞めることを決めた時のA部長です。私にとって初めての女性の拠点長でしたが、保険会社には珍しく(?)真っ正直な人で、そのために、周囲からは疎ましく思われることもあった人でした。

 「私を叱る人はいないから、自分で自分を律していかないと」と言って、営業職員の仕事の場を広げるため、目標数字を自らに課して、出入り許可企業の新規開拓をしようと、ひたすら飛び込み営業を繰り返す人でした。

家族に売りたいと思える保険をお客様に勧めなさい

 バブルが崩壊し、不況に突入する中、例によって1人で飛び込み営業をしていた時のこと。「このくらい頑張れば、さすがに1件くらいは出入り許可が取れるだろう」という経験値がすでに当てはまらなくなったことを実感したといいます。焦る気持ちが募る中で飛び込み営業を繰り返すうち、膝ががくがくと震えてきたと笑いながら話してくれたのは忘れられません。そして「これから職員さんたちは本当に苦労するでしょうね。指導の仕方を変えなくてはいけないかもしれないわ」と、私に語りました。

 「勉強しなくちゃだめよ」「お父さんやお母さん、お兄さんやお姉さんに売りたい保険を薦めなさい」「頑張っちゃだめ(無理な契約を取るなという意味です)。当たり前のことを毎日続けなさい」と教え込まれました。「この人のために頑張ろう」と思えた初めての上司でした。でも、皮肉なことにこのA部長の下で働いたからこそ、私は保険会社を辞める決断をすることになったのです。

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