• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

まず注目すべきは、財政より金融政策

2009年1月21日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 バラク・オバマ大統領率いる民主党政権がスタートした。新政権が真っ先に取り組むべき課題は、疲弊した現在の金融システムと経済の立て直しだ。オバマ大統領の政権チームはどのような経済対策を行っていくのだろうか。

 米議会民主党は今年1月15日に、今後2年間、総額8250億ドルの規模になる経済対策「リカバリープラン」の詳細を発表した。総額の内訳は、5500億ドルが新規の財政支出、2750億ドルが減税である。

 大恐慌の最中に就任したフランクリン・ルーズベルト大統領以来、大統領就任時にこれほど巨額の景気対策を議会が用意したことはなかった。それこそ未曾有のと言っていいほどだ。

 というのもビル・クリントン大統領は1993年の大統領就任時には“わずか”160億ドルの景気刺激策を望んだものの、身内であるはずの民主党に議会で拒絶されたからだ。それだけ、現在の米国経済を取り巻く環境が深刻だということだろう。

2月にも成立を目指すが…

 今回、与党民主党はこのリカバリープランを早々に議会で通過させ、2月13日にはオバマ大統領にサインさせたいと考えている。減税や道路、橋の修理はすぐに経済にマネーを注入できるという。その他、病院や医者のIT(情報技術)設備改善、地方公務員(教師、消防士など)の雇用維持、再生エネルギー産業支援などにも公的資金が散布される。

 減税や財政支出が続いている間は、米国のGDP(国内総生産)はある程度押し上げられるだろう。株式市場にも一時的に明るい空気が戻ってくる可能性がある。しかし、懸念されるのは、議員たちが財政支出の大盤振る舞いに、はしゃいでいるように感じられる点だ。米ウォールストリート・ジャーナル紙によれば、既に下院の民主党の有力議員は、「このパッケージでは不十分であり、今年後半に追加支出の法案が必要になるだろう」(1月16日)と述べている。

就任前に主要経済チームを発表した時のバラク・オバマ大統領

就任前に主要経済チームを発表した時のバラク・オバマ大統領

©AFP/Saul LOEB

 米国の財政赤字は、どこまで膨らむのだろうか。現在は財政による景気下支えが必要な局面だが、乗数効果の低い非効率な支出が安易に増加すると、米国も日本の90年代の公共投資の二の舞いに陥る恐れがある。オバマ政権は、その点に強い注意を払う必要があるだろう。

 昨年10月に制定された7000億ドルの公的資金を使った不良資産救済プログラム(TARP)の予算は、半分が残されている。だがヘンリー・ポールソン前財務長官の下で使われたTARPの資金に関しては、このところその有効性に疑問符がつけられている。

 注入された銀行の多くは、使い方を特に指示されなかったと話している。資金を受け取ったからといって、貸し出しを増加させるつもりはないと答えている地方銀行も多い。景気が悪化している時に貸し出しの増加は危険だという(米ニューヨーク・タイムズ1月18日)。それでは貸し渋り対策につながらない。今後のTARP資金の使い方を再検討する必要が生じている。

 また、米議会予算局(CBO)は、昨年12月31日までに投入されたTARPの資金、2470億ドルのうち、その4分の1強である640億ドルは損失(納税者負担)となり得ると発表している。

凍りついた信用市場の回復に本腰入れるFRB

 オバマ政権はそういった批判を耳にしているため、今後はTARPを住宅差し押さえ防止や、地方政府の支援などに使う可能性があるという(米ブルームバーグ1月19日)。国民の血税を使うがゆえに、納税者の反発を避けるためには、効率的な利用を図っていかねばならないだろう。

コメント0

「加藤出の日銀ウォッチ どこへ行く為替相場」のバックナンバー

一覧

「まず注目すべきは、財政より金融政策」の著者

加藤 出

加藤 出(かとう・いずる)

東短リサーチ社長

1965年生まれ。88年4月東京短資入社。2013年より現職。国内外の短期金融市場の現場の視線から金融政策を分析している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック