「データで斬る経済危機」

猛烈に落ち込む日本経済

2年連続マイナス成長は不可避。数字が語る日本の未来は…

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2009年1月26日(月)

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 1月20日に公表された政府の月例経済報告は、「景気は急速に悪化している」という異例の厳しい表現で、日本の景気が急激に悪化していることを伝えています。事実、日本の経済活動は、かつて例を見ないほどのスピードで落ち込みつつあります。

 日本の景気は2007年10〜12月頃から景気後退局面に入っているのですが、特に、2008年10月以降、景気の落ち込みは激しくなっています。現時点で判明している経済指標から浮かび上がってくる経済の姿を概観してみましょう。

昨秋の経済の落ち込みが数字に表れた

 まず、現実の時間と経済指標とのズレに注意する必要があります。現実の我々の身の回りの経済は既に2009年1月を通過しつつあるのですが、現在判明しつつある経済指標は2008年11月頃までのものです。つまり、厳密に言うと、「経済が急激に落ち込んでいる」というよりも、「10月頃から一段と急激に落ち込んでいたことが分かってきた」ということなのです。

 近年の経済を振り返ってみましょう。サブプライム危機が起きたのは2007年の夏でした。世界経済は動揺し、日本の景気も2007年末には景気後退局面に入りました。その後、経済は一時小康状態にあったのですが、2008年9月半ばにリーマン・ブラザーズの破綻があり、世界経済は一気に「大恐慌の再来か」と言われるほどの大混乱に陥りました。

 この時点で多くのエコノミストは、将来予想を大きく下方修正しました。この点を見るために、経済企画協会が毎月行っている「ESPフォーキャスト調査」の結果を示したのが図1です。

 この調査は、定期的に経済予測を行っている38人のトップエコノミストたちに今後の予想をアンケート調査して、その平均(コンセンサスと言います)を公表するというものです。これを見ていれば、現在エコノミストはどんな将来予想をしているのかをつかむことができます。この図を見ればわかるように、10月以降、エコノミストたちは猛烈に見通しを下方修正してきたことが分かります。

 具体的に言うと、9月の段階では、エコノミストの平均的な成長率予測は2008年度0.7%、2009年度1.3%というものでしたが、最新の2009年1月段階では2008年度マイナス1.3%、2009年度もマイナス1.2%となっています。たった4カ月の間にこれほど大きく変わってしまったわけです。

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著者プロフィール

小峰 隆夫(こみね・たかお)

小峰 隆夫

法政大学大学院政策創造研究科教授。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。著書に『日本経済の構造変動』、『超長期予測 老いるアジア』『女性が変える日本経済』、『最新日本経済入門(第3版)』、『データで斬る世界不況 エコノミストが挑む30問』、『政権交代の経済学』、『人口負荷社会』ほか多数。



このコラムについて

データで斬る経済危機

 2008年秋の“リーマンショック”を境に、世界経済は激変を続けています。「100年に1度」「世界恐慌の再来」「新自由主義の終焉」――。様々な言葉で語られるこの経済危機。ともすれば、情緒や感情だけで語られることもあります。

 新たな資本主義の姿を模索するには、これまでにない発想が必要なのも確かですが、まずは足元で何が起きているのかを、しっかりととらえておく必要があるでしょう。危機をチャンスに変える力は、危機の本質を見極め、その先を考える冷静な判断力があってこそ発揮されるはずです。

 このコラムでは、6人の執筆者が最新の経済指標を深く読み解き、経済危機の真実の姿を明らかにしていきます。数字を丹念に追うことで、これからの日本、そして世界経済の姿を読み解くヒントが見えてきます。

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