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社会主義化する米国

2009年2月4日(水)

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 米国政府が空前のペースで民間銀行の“国有化”に乗り出している。昨年10月に成立した金融安定化法に基づいて7000億ドルの公的資金を投じるのに加え、さらに数千億ドル規模の上乗せに踏み切る雲行きだ。1兆ドルの大台突破は、確実と見られている。

 金融安定化法の成立から4カ月足らずで、米国政府はすでに3000億ドル以上の公的資金を注入し、金融大手シティグループバンク・オブ・アメリカの筆頭株主になった。ファニーメイ(連邦住宅抵当公社)、フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)、AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)の3社については、実質的に国有化している。

 国有化とは逆の行為である民営化と比べると、今回の国有化の突出ぶりが浮き彫りになる。

 1979年に英国でマーガレット・サッチャー政権が誕生して以降、世界中で民営化ブームが起きた。ピークはソ連が崩壊し、世界が好景気にわいた90年代だ。20カ国以上の先進国で構成されるOECD(経済協力開発機構)の加盟国は全体として、国営事業の民営化によって総額6000億ドル以上の売却益を得た。新興国も加えると、世界全体での累計売却益は1兆ドルを超えた。

 1兆ドルの大台超えまでに、民営化の場合は世界全体で20年以上かかったのに、国有化の場合は米国だけで1年もかからないわけだ。これまで世界的規模で進んできた民営化ブームが国有化によって終わりを迎えるとしたら、あまりにも皮肉な結末である。

機能する政府

 1月20日に黒人の血を引く初の米国大統領に就任したバラク・オバマ氏。同氏の下で米国は社会主義化するのだろうか。少なくとも一時的には社会主義的な政策を打ち出さざるを得ないだろう。

 「資本主義には構造欠陥がある」と言われ始めただけに、オバマ氏も一定の考え方を示した。大統領就任演説で「我々が考えなければならないのは、『大きな政府』か『小さな政府』という問題ではない。『機能する政府』を確立することこそが重要だ」と強調した。

 これは、81年に米国大統領に就任したロナルド・レーガン氏の名言を意識した発言だ。同氏は大統領就任演説で「政府は国民の問題を解決してくれない。政府こそが問題だ」と指摘し、サッチャー政権と同様にはっきりと「小さな政府」路線を選んだ。

 だがオバマ氏の下で、米国は銀行への公的資金注入のほか大規模な公共事業も打ち出し、数十年間続いた「小さな政府」路線の旗を降ろす格好になった。

バッドバンクの設立を好感?

 1月28日のニューヨーク株式市場。シティグループなど主力金融株が軒並み大幅高となって取引を終えた。オバマ政権は「バッドバンク(悪い銀行)」を設立し、銀行保有の不良資産を買い取るだろう――こんな観測が広がったためだ。

 バッドバンクに不良債権を一括売却できれば、銀行はバランスシート(貸借対照表)のウミを一気に出し切り、新たな貸し出しに乗り出せる。銀行が貸し出しに積極的になれば、深刻なクレジットクランチ(信用収縮)も終わるというわけだ。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師