• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

どのくらい進むか、雇用削減

失業率に含まれない「不完全な失業者」の存在

  • 澤井 景子

バックナンバー

2009年2月13日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日本の2008年12月の失業率は4.4%と11月(3.9%)に比べ0.5ポイント上昇しました。これは41年ぶりの急激な上昇幅です。世界的な金融危機の影響が雇用に及んでいることが、統計の上でも明確になってきました。

 失業率は、景気の変化のスピードと比べると遅れて顕在化する傾向がある遅行指標です。このため、輸出、生産、設備投資の歴史的な大幅減を受け、雇用調整はこれから本格化し、失業率はさらに上昇することが見込まれます。まず、「オークンの法則」を用いて、今後の失業率がどれくらいになるかを推計してみます。

GDP成長率との相関関係で見た失業率推計

 オークンの法則とは、経済学者アーサー・M・オークンが大統領経済諮問委員会(CEA)委員長として執筆した「大統領経済報告」(1962年)に活用されたことで有名になりました。GDP(国内総生産)が上昇した時に、どれだけ失業率が低下するかを示す、生産と失業率との関係を表した経験則のことです。過去のGDP成長率と失業率について見てみると、95年以降、日本のGDP成長率(前年比)と失業率の変化(前年差、3カ月遅行)の推移は似通っていることが分かります(図1)。

 これを、失業率の変化(x)を横軸に、GDP成長率(y)を縦軸に取った散布図にすると、失業率とGDP成長率には負の相関関係があることが分かります(図2)。各点からの距離の和が最も小さくなるような直線(近似曲線)を引き、その方程式を用いることにより、GDP成長率に対する失業率の変化幅を求めることができます。

悲観的に見た今年の失業率は過去最高に

 GDP成長率の予測は、ESPフォーキャスト(1月)による民間38機関の予測値を用いました。予測の総平均(コンセンサス)では、2009年(暦年)のGDP成長率はマイナス2.2%です。この総平均 を用いて計算すると、2009年の失業率は5.3%程度と、5%を超えるという結果になりました(図3)。

 この数字は総平均を用いた結果ですが、景気後退期では経済予測は下方に外れる傾向にあります。また、1月下旬に公表された統計の結果を受けて、多くのエコノミストが予測を下方修正しているようですので、38機関の総平均ではなく、悲観的な予測を行っている低位8機関の平均を用いた計算もしてみました。

 すると、2009年の失業率は5.9%程度となり、過去最高の2002年の5.4%を超え、6%に迫るという結果になります。

 さて、ここで「失業率」という言葉について改めて考えてみます。

コメント6件コメント/レビュー

能力が高い人が働いても無給や低給与しかもらえないということがまず、理にかなっていないと思います。その分、能力が低い人や働かない人が、高収入になったらよいというのでしょうか?仮にそんなことになれば、それこそが、社会の活力そぐのではないでしょうか。富裕層で無給であっても困らず著しく能力が高い人が社会に役立ちたい気持ちで働くことは、また別の話であり、そもそもそういう人はどんなに不況にあろうと、活躍の場が見つけられるでしょう。今の問題は、標準的な能力があってきちんと働く人にまで適正な給与を支払うことが難しくなっていくことだと思います。それは製造業であっても農林水産業であっても同様で、製造業で起きた格差構造を、農林水産業で繰り返しても、何の解決にもなりません。(2009/02/16)

「データで斬る経済危機」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

能力が高い人が働いても無給や低給与しかもらえないということがまず、理にかなっていないと思います。その分、能力が低い人や働かない人が、高収入になったらよいというのでしょうか?仮にそんなことになれば、それこそが、社会の活力そぐのではないでしょうか。富裕層で無給であっても困らず著しく能力が高い人が社会に役立ちたい気持ちで働くことは、また別の話であり、そもそもそういう人はどんなに不況にあろうと、活躍の場が見つけられるでしょう。今の問題は、標準的な能力があってきちんと働く人にまで適正な給与を支払うことが難しくなっていくことだと思います。それは製造業であっても農林水産業であっても同様で、製造業で起きた格差構造を、農林水産業で繰り返しても、何の解決にもなりません。(2009/02/16)

社会全体としてみると、能力があっても経済的な余裕が有る人は隠居したほうが良いということでしょうか。もしそうであれば、無給、低給、でも社会の役に立てるような仕組みを作らないと、社会全体の活力がそがれることになるとおもいます。(2009/02/13)

コメントに失業者を農林水産業にというご意見がありました。確かにそれはひとつの選択肢だと思いますが、なぜ労働を提供しながら、生活保護を受給しなくてはならないのか。労働を提供するというのであれば、本来、生活保護を受給しなくてもすむ程度の給与はもらえてしかるべきかと思います。生活保護を受給させながらただ同然で働いてもらうというのであれば、税金である生活保護費で地元の事業者の懐を潤そうということになりますし、なにより、そのくらいなら働かずに生活保護を受給したほうがましということになり、成り立たないかと思います。「従来生産事業者は指導者になり生産基盤を拡充する」が、都会からの帰省者に、再び製造業の請負労働者のように格差をつけて扱い、生活できない低賃金で働かせることでなく、事業の発展により適切な給与を従業員に保証する方向に向かうことであれば、すばらしいと思います。失業者となった人々が再び搾取の対象にならない社会の仕組み作りが大切だと思います。(2009/02/13)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

変化を受け入れやすい組織体質があればビジネス上の“地殻変動”が起きた際にも、他社に半歩先んじられる。

井上 礼之 ダイキン工業会長