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「金融保護主義」に神経尖らす英国の“限界”

2009年2月25日(水)

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 先日、英国で発表された2008年10~12月期の実質GDP(国内総生産)成長率は前期比マイナス1.5%という2四半期連続のマイナス成長となり、公式に英国の景気後退局面入りが確認された。

 産業別の寄与度で見ると、これまでの成長に大きく寄与してきた金融・ビジネスセクターの減速が目立ち、世界的な信用収縮が進む中で1980年代以降の英国経済を支えてきた屋台骨が揺らいでいる。

ジム・ロジャース氏の警告

 米著名投資家のジム・ロジャース氏が「すべての英ポンド資産は売った方がよい(2009年1月29日付英インディペンデント紙)」などと指摘しているように、英国からの資金流出も懸念されている。また、ゴードン・ブラウン英首相は世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)において、「金融保護主義」に言及し、自由な資本移動を阻害しかねない金融分野での保護主義の高まりに対して警戒感を示した。

 英国の金融機関は、国境を越えたマネーフローの中で世界的な金融のハブとして発展してきた。そのマネーフローを細める危険がある金融保護主義に対し、ブラウン首相が強い懸念を表明するのは当然のことだろう。

 では、そもそも、英国の対外マネーフローの構造はどのようになっているのか。マネーフローの構造が英国に長期間の繁栄をもたらしたのなら、その構造変化は経済が復活するかどうかのカギを握る。マネーフローの動きを見れば、英国経済の“限界”が透けて見える。

レバレッジ利かせた“英国モデル”

英国の対外投資残高の推移

 まず、英国の資金循環統計によれば、英国の対外資産の合計は2008年7~9月期の時点で約7兆ポンドに上る(図 右の棒グラフ)。このうち最も金額が大きいのは預金で、およそ3兆ポンドである。ローンは約1兆3000億ポンドで、そのうち短期外貨建てローンの金額が大きい(9240億ポンド)。

 一方、証券については債券投資の残高がおよそ1兆ポンド、株式投資の残高が約1兆6000億ポンドとなっている。ざっくり言えば、英国の対外債権の半分弱は預金で、残りが株、債券、ローンに振り分けられているという格好になる。

 同期の名目GDPは年率換算で約1兆4000億ポンド。そのことを考慮すれば、実にGDPの5倍程度の資金が海外とやり取りされていることになる。資産の名目GDP比率は近年急速に拡大しており、借り入れによる高レバレッジの資金運用が行われていたと言える。

 次に、国際収支統計による投資形態別の推移を見ると、2007年末の英国の対外投資ポジションの残高は約6兆3000億ポンドであった(図 中央の棒グラフ)。そして、この約60%にあたる約3兆7000億ポンドが、預金やローンといったその他投資に分類されている。

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「「金融保護主義」に神経尖らす英国の“限界”」の著者

吉田 健一郎

吉田 健一郎(よしだ・けんいちろう)

みずほ総合研究所 欧米調査部/市場調査部

1972年東京都生まれ。96年一橋大学商学部卒業、2012年ロンドン大学修士(経済学)。富士銀行(現みずほ銀行)新宿西口支店入行。98年同国際資金為替部にて対顧客為替ディーラー。2004年よりみずほ総合研究所に出向し、08年よりロンドン事務所長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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