ここ最近の米国株式市場は、米ゼネラル・モーターズ(GM)騒動などもあって回復基調を維持できず、2008年11月につけた安値水準まで値下がりしてしまった。だが、11月のようなパニック売りや失望売りが、今回は見当たらなかった。
投資家はどの材料にも満足していない様子だが、不動産などの資産価格は既に悲観的な見方を織り込んだ水準に落ち着いており、相場は取りあえず均衡点を見つけたようだ。
では今後、その均衡点は、どちらの方向に崩れるのか。米政府の住宅ローン借り手救済策や大型景気対策が功を奏して上向くのだろうか。それとも金融機関の国有化懸念や自動車メーカーの経営破綻を嫌気して、さらに下がるのだろうか。
ガイトナー氏の在日体験に注目集まる
楽観派、悲観派のどちらにも参考になる議論がある。米国で実行されようとしている、8000億ドル(約75兆円)弱の景気対策についてだ。面白いことに、支持派、反対派ともに、新しく米財務長官に就任したティモシー・ガイトナー氏の日本での経験に注目している(ガイトナー財務長官は在日米国大使館での勤務経験を持つ)。
支持派は、ガイトナー長官は日本政府が過去に実施した一連の景気刺激策を間近で見た経験から、政策の成功例や失敗例に精通しており、米国を景気後退から脱却させるにはうってつけの人材だと評価する。一方で反対派は、日本が犯した過ちが繰り返されることになると警告しているのだ。
だがいずれにしろ、大型景気対策が景気回復に多少なりとも役立つだろうという点は、一致している。
さらに、バラク・オバマ米大統領は成立済みの景気対策法に加え、最大900万世帯を住宅差し押さえから救う住宅市場安定化策を発表した。総額2750億ドル(約26兆円)に及ぶこの住宅市場対策は、住宅ローン返済が難しくなっている住宅所有者の月々の負担を軽減することに、重点を置いている。
住宅市場に底打ち感
過去の似たような政策は失敗に終わったため、大統領がこの対策を発表した際には、不信感から金融株が売られた。救済しても過去のように、最終的にデフォルト(債務不履行)されてしまっては、元も子もないからだ。だが今回は、もう少し期待できる。予算規模が大きくなっただけでなく、ローン返済が見込めない住宅所有者の多くが、既に差し押さえを受けた後だからだ。
そのうえ、一部の地域では、住宅の値下がりに歯止めがかかり、その他の大半の地域でも価格の下落が目に見えて鈍化している。つまり、住宅を手放さずに持ち続ける意義は高まっているのだ。
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