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2009年3月24日(火)

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 来る4月2日、主要20カ国・地域(G20)による首脳会合(金融サミット)がロンドンで開催される。世界規模で起こっている経済危機に各国が協調して対処するための計画の策定が議論されることだろう。しかし、果たしてそのような計画が本当に効果を発揮するのだろうか。

 当然ながら、根底にある問題は信頼感の欠如だ。世界経済が非常に危うい状態にあると受け止められている中、消費者も投資家も、世界中で皆が消費や投資を控えている。

世界大恐慌の教訓生かせ

 同じことが1930年代の世界大恐慌の時にも起こった。当時の評論家、ウィンスロップ・ケース氏は38年、次のように状況を言い表している。

 「経済の再生には、個人と企業が確固たる意志で、相当期間にわたり支出を行うことが必要だ。それは個人にとって、雇用維持への信頼感につながり、ひいては財界への信頼感にもつながる」

 残念ながら実際には、第2次世界大戦によって大恐慌が終焉を迎えるまで、人々の経済への信頼感は回復しなかった。

 ロンドンでのG20サミットに参加する各国・地域首脳が、30年代にできなかったことを成し遂げるには、財政政策の目標を掲げ、それで確実に信用市場を正常な状態に戻し、労働市場の需要と供給が一致する「完全雇用」の回復につなげることだ。

 同時に、信用市場を正常に戻し、融資が行われるようにする金融政策の目標を掲げる必要がある。雇用が確保され、融資を受けられるような環境にならなければ、人々の支出は元には戻らないだろう。

 大恐慌の時には、十分な効果を発揮するほどには、そうした政策目標は設定されなかった。そして景気刺激策は効果を発揮しないまま、国民の落胆を招いただけに終わった。

目先の効果よりも長期的な効果を期待させよ

 また4月のG20サミットは、いくつかの基本原則を再確認する場ともすべきだ。経済への信頼感は支出や融資のみによって醸成されるわけではない。財政出動が、成功するかどうかも分からない景気刺激策にではなく、長期的に効果を発揮するものに使われるのだという人々の期待感が不可欠だ。

 大恐慌が終わりを告げたのは、単に膨大な戦時支出が行われたからだけではない。第2次大戦が将来に対する信頼感を醸成したとは思えない。

 確かに、開戦によって米国の失業率は40年の15%から44年には1%と劇的に低下し、ほかの国々でも同様の効果が生じた。しかしこのような効果が表れたのは、戦争で業況感が回復したからではない。単純に、戦争という忌まわしい出来事により、人々が徴兵されたり、軍需産業の工場などに動員されたりしたからだ。

 信頼感が本当の意味で回復したのは終戦後であり、戦後経済は不況の時代に逆戻りすることはなかった。

 だが米大統領経済諮問委員会(CEA)は49年に再び不況に陥る可能性を警告しており、同様の懸念を表明する意見は、ほかからも出ていた。

「うっ積した需要」が存在するはずだ

 そうした懸念とは裏腹に信頼感は急速に回復を見せた。その背景には複数の理由があったと思われる。まず、「うっ積した需要」が存在するとの認識が一般に広がったことが挙げられる。

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