• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ドイツの“改心”、英国の“賭け”

2009年3月25日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 急激な景気の落ち込みが止まらない欧州。2008年10~12月期の実質GDP(国内総生産)成長率は、ユーロ圏で前期比年率5.8%減、英国でも6.0%減と極めて厳しい結果となった。

 GDPが劇的に落ち込んだ要因の1つは、大幅な在庫調整によるものである。そのため、在庫調整がある程度進めば、景気後退が続くとしても、2009年の年明け後には景気悪化のペースは多少なりとも緩やかになると考えられてきた。原油価格の下落によりインフレ率が大幅に低下したことも、消費の持ち直しに寄与すると見られていた。

“最悪”の状況示すデータが続々

 ところが、そうした見方に修正を迫るようなデータが相次いで発表されている。

 確かに、インフレ率低下に伴う実質所得の増加や、自動車買い替えを促す欧州各国の補助金政策によって、ユーロ圏自動車販売台数は今年1月に続き、2月も前月を上回った。しかし、ドイツの1月の製造業新規受注は、前年比35%も下落している。

 こうした需要の落ち込みに対応する形で、鉱工業生産指数も同19.2%低下した。大幅な生産調整にもかかわらず企業の在庫過剰感はさらに強まっており、もう一段の生産調整が必至の情勢となっている。

英国家計の財務状況

 また、西欧諸国の金融機関は、経済危機が深刻化している中・東欧経済に対する与信残高が大きく、この地域からの損失拡大も欧州の金融セクター、ひいては実体経済の重しになりつつある。

 ユーロ圏を構成する一部諸国についてさえ、国債が債務不履行(デフォルト)に陥るリスクを回避するための、いわゆる保険の役目を果たしているクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保証料率が大幅に拡大している。

ドイツの“改心”、隣国救済に理解示す

 景気の底割れを回避しようと、各国政府は新たな取り組みを始めている。その中でも特に重要だと思われるのは、これまで一貫して他国の救済・支援に消極的であったドイツが、その態度を変え始めたことだ。ペール・シュタインブリュック独財務相が、「小さい国を大きな国が救わなければならないかもしれない」と述べたのである。

 一連の金融危機の中で、ドイツはユニークな位置づけにあった。個別に見れば問題を抱えている金融機関もある。しかし、全体としては金融機関のバランスシートが拡大してきたペースは、他の欧米諸国の金融機関と比較すればかなり緩やかだった。

 住宅ブームも起きておらず、中・東欧の新興国向け融資も金融機関の資産規模と比較すれば相対的に小さい。ドイツにとって一連の金融危機は、あたかも「自分の問題ではない」ように見えたわけである。

 しかし、実際には生産調整もGDP成長率の落ち込みも、むしろ他の欧州諸国よりも大きくなっている。これはドイツが典型的な輸出主導型の経済構造を持つためで、結局のところ、輸出相手先の金融危機に伴う輸出の落ち込みが、ドイツの国内経済の悪化となって跳ね返ってきたのである。その意味で、一連の金融危機は「自分の問題」でもあったということであろう。

「Money Globe ― from London」のバックナンバー

一覧

「ドイツの“改心”、英国の“賭け”」の著者

池田 琢磨

池田 琢磨(いけだ・たくま)

ノムラ・インターナショナル

野村総合研究所、郵政研究所、野村総合研究所アメリカ、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルを経て、2007年より現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「タイム・トゥ・マーケット」で売らないともうからない。

栗山 年弘 アルプス電気社長