• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

中東欧、通貨危機との闘いは続く

2009年4月1日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 3月20日に閉幕した欧州連合(EU)首脳会議では、金融危機対策の一環として、追加対策を発表した。その中には、中東欧など経済的な困難に直面している国に対するクレジットライン(信用供与枠)を500億ユーロに倍増し、さらに国際通貨基金(IMF)に750億ユーロの資金拠出をするといった項目が含まれる。

 2008年半ば以降、中東欧は景気後退が深刻化し、資金流出と自国通貨安が継続し、通貨危機に陥るリスクが高まっている。通貨危機といえば、12年前のアジア通貨危機が思い起こされる。

 こんな有名なエピソードがある。現在、両者は和解したようであるが、世界的な投資家であるジョージ・ソロス氏と、マレーシアのマハティール・モハマド首相(当時)とのやり取りである。1997年、マハティール首相はIMFと世界銀行のセミナーにおいて、ソロス氏などヘッジファンドの活動を「投機的な為替取引は違法にすべき」と非難した。

 これに対しソロス氏は、「私はマレーシアリンギットを通貨危機の2カ月前から売った覚えはない」と反論した。売られる通貨は、そもそも構造的な問題を抱えているというのである。

 ならば、今、中東欧が通貨下落の圧力にさらされている背景には、どのような構造的な問題が潜んでいるのだろうか。

逆回転し始めた「成長の方程式」

 2000年代に入り、中東欧地域は「欧州の工場」として、総じて順調な発展を遂げてきた。安価な労働力を背景として、自動車や電気機械などの工場が西欧から相次いで進出、輸出をテコに経済は拡大してきた。

 無論、旺盛な資金ニーズを賄うには海外からの資金流入が必要であり、これは主に、欧州主要国の金融機関によってファイナンスされた。結果的に経常収支は赤字となり、資金を呼び込むためには相対的に高めの金利設定が必要だった。

 経済発展の過程で国民が豊かになり住宅需要が高まると、家計の資金は自国通貨の高金利を避け、低金利の外貨建てローンに流れた。外貨建てローンは、安定的に資金が流入し自国通貨が強くなっている間は、金利が安いことに加えて、為替の上昇分だけ自国通貨に換算した際の負債の額も減ることになるため、人気を博した。

 しかし、何らかのショックで為替レートが逆回転し通貨安に陥ると、その分、自国通貨に換算した際の負債金額が増えることになり、たちまち傷が深くなってしまう。そして、そのショックは、グローバルな金融危機による外資の流出という形で顕在化した。

コメント0

「Money Globe ― from London」のバックナンバー

一覧

「中東欧、通貨危機との闘いは続く」の著者

吉田 健一郎

吉田 健一郎(よしだ・けんいちろう)

みずほ総合研究所 欧米調査部/市場調査部

1972年東京都生まれ。96年一橋大学商学部卒業、2012年ロンドン大学修士(経済学)。富士銀行(現みずほ銀行)新宿西口支店入行。98年同国際資金為替部にて対顧客為替ディーラー。2004年よりみずほ総合研究所に出向し、08年よりロンドン事務所長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック