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医療保険加入で医療の安心は得られる?

  • 内藤 眞弓

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2009年4月7日(火)

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 医療費の備えといえば、保険会社が販売する「医療保険」に加入することを思い浮かべる人が多いようです。医療保険の広告宣伝を見ると、病気になるとどんなに医療費負担が重いか、公的医療保険では賄えない費用がどんなに重いかをアピールしており、「医療保険に加入しておかないと入院もできないかも」と考えてしまうのも無理はありません。

 生命保険文化センターが行った「平成19年度生活保障に関する調査」によりますと、「ケガや病気に対する不安の内容」で最も多いのが「長期の入院で医療費がかさむ」というものです。気になったのが「公的医療保険があてにならない」「保険対象外の先進医療の費用がかかる」「保険対象外の差額ベッド代がかかる」という、公的医療保険に対する不信をあおるような選択項目があることです。

 「公的医療保険があてにならない」は39.6%、「保険対象外の先進医療の費用がかかる」が29.3%、「保険対象外の差額ベッド代がかかる」が25.5%という回答結果ですが、過去5年間で入院経験がある人の割合は14.4%。公的医療保険に対する不信感や保険対象外の費用については、自分自身の経験から感じた部分もあるのでしょうが、多くの場合、医療事故や救急車のタライ回し、医師不足といった報道の影響によるものかもしれません。

 また、医療費を公的医療保険だけで賄えると思うかという問いには、賄えると思う人が30.1%、賄えないと思う人が65.5%。さらに「医療保障は公的保障充実志向か自助努力志向か」という問いがあり、公的保障充実志向が39.0%、自助努力志向は51.8%という結果になっています。生命保険文化センターの調査ですから、「公的医療保険だけでは不足で自助努力が必要」と考えている人がたくさんいるという調査結果は、医療保険を販売する保険会社にとってはニーズ喚起の材料として扱われるのでしょう。調査は問いの設定の仕方や、質問の順序などによって答えが誘導されることもあるので、どこまで公的医療保険制度への不信があるのかは不明です。しかし、民間医療保険に加入すればよい医療が受けられるかのような誤解を招く恐れもあると考えられます。

公的医療保険で高額な医療費も自己負担は低く抑えられる

 公的医療保険と民間が提供する保険商品は全く性質の異なるものです。公的医療保険は私たち一人ひとりが支払う税金や保険料で支えられています。そのため、保険診療となる医療は広く効果が認められ、副作用も抑えられているものに限られます。厳しい治験を経て保険診療の対象とされた治療は、保険証1枚で全国どこでも公的価格で受けられます。心臓移植まで保険対象の治療になっており、相当高度な医療も保険で受けられます。

 そして、医療費が1カ月に100万円かかったとしても、公的医療保険には高額療養費制度がありますから、実際の自己負担額は所得区分一般で8万7430円、上位所得者で15万5000円です。高額療養費制度とは、所得に応じた一定額を超える医療費は自己負担割合が3割ではなく1%になるというものです(低所得者と70歳以上の所得区分一般の人は1カ月あたりの自己負担上限が定額)。ですから、医療費が200万円になればそれぞれの数字に1万円が上乗せされるだけです。高額療養費が適用になる月が過去1年以内に3回以上あれば4回目からはさらに自己負担額が下がります。

民間医療保険の「入院」は約款の定義によるもの

 一方、民間医療保険は入院や手術など、約款で定められた支払い事由を満たした時に、あらかじめ契約で決めた現金給付が受けられるものです。しかも「入院」は「医師による治療が必要であり、かつ自宅等での治療または通院による治療によっては治療の目的を達することができないため、病院または診療所に入り、常に医師の管理下において治療に専念することをいう」といった約款に定められた定義における「入院」です。

コメント2件コメント/レビュー

今の日本の医療はWHOでも第1位の評価がなされている。負担が多いという意見もあるが、医療を受ける側がこれだけ機会と質の平等を保証されている国はない。アメリカは言うに及ばず、イギリスも実際お金を出せる者は高額の私立病院にかかり、公的保険では医療のえり好みはできないはず。だが、このシステムは国が高度成長を謳歌し、医療提供側が今のような不審の目で見られるのではなく、感謝の念を受けられた時代の奇跡の産物である。もうこの国に低コストの高度医療はなくなる。我々は自分や家族の命にどれだけのコストなら払えるか真剣に考える必要がある。(2009/04/14)

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今の日本の医療はWHOでも第1位の評価がなされている。負担が多いという意見もあるが、医療を受ける側がこれだけ機会と質の平等を保証されている国はない。アメリカは言うに及ばず、イギリスも実際お金を出せる者は高額の私立病院にかかり、公的保険では医療のえり好みはできないはず。だが、このシステムは国が高度成長を謳歌し、医療提供側が今のような不審の目で見られるのではなく、感謝の念を受けられた時代の奇跡の産物である。もうこの国に低コストの高度医療はなくなる。我々は自分や家族の命にどれだけのコストなら払えるか真剣に考える必要がある。(2009/04/14)

公的医療保険が良いことづくめのような記事であるが、負担も大きい。これまで家一軒建つほどの保険料を負担してきた。過剰な検査、パターン化した医療に不信感を抱いている。何より、目に見える形で医療費の使い方を、単なる平均値でなく個別に全集団における位置づけまでを示してもらいたい。ムダが何処にあるかわかるように。(2009/04/11)

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