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シンガポール、
膨らむ資産運用残高は維持できるのか

  • 竹島 慎吾

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2009年4月27日(月)

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 世界金融危機でタックスヘイブン(租税回避地)に対する風当たりがいっそう強まっている。こうした情勢を反映し、各国・地域で、銀行の守秘義務を緩和する動きが加速している。

 今年2月以降、欧州ではアンドラリヒテンシュタイン、アジアでは香港シンガポールが緩和、そして3月13日には、約300年にわたり厳格な守秘義務を堅持してきたスイスが緩和方針に転じた。

 銀行の守秘義務緩和の動きが加速した背景には何があり、こうした動きが金融市場にどのような影響を与えるのだろうか。香港と並ぶアジアの国際金融センターであるシンガポールは何が変わるのか。

スイスの守秘義務制度に風穴

 銀行の守秘義務はスイスに固有の制度ではない。顧客情報の保護という観点から、銀行の守秘義務を定める法律は日本を含め世界各国に存在する。

 しかし、当局に対する情報提供という観点では、スイスの守秘義務は世界で最も厳格と言われている。スイスでは、銃の密輸や薬の違法売買など重大な犯罪を除き、内外の当局からの依頼に対しても、銀行が顧客の同意なしに預金残高などの情報を提供することは法律で禁じられているからだ。

 スイスでは脱税は重大な犯罪に該当しないとの判断から、税務当局に対しても、顧客情報を提供することを法律で禁じていた。租税回避撲滅に取り組むOECD(経済協力開発機構)は、スイスのこうした姿勢を以前から批判してきたが、秘密のベールを開くことはなかなかできなかった。

 そこにようやく風穴が開き始めようとしているのは、スイスの大手金融UBSが米国で脱税を幇助する事件が起きたため。今年2月18日、UBSは米司法当局に脱税幇助行為を認め、翌日、スイス政府が約300人分の顧客情報提供を認可した。この時点でスイス政府は、「脱税幇助」は「タックスヘイブン」には該当しないとして、銀行の守秘義務制度を維持する方針を示した。

 3月上旬にOECDがタックスヘイブン対象国の改正リスト案、いわゆるブラックリストやグレーリストと呼ばれているものにスイスを掲載、4月の20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)で協議する方針を示すと、スイス政府は方針を転換した。

 3月13日、脱税など不正行為があった際に顧客情報の提供に応じる方針を閣議決定、事実上、銀行の守秘義務制度を緩和した。今後、スイスはOECDが定める租税情報交換に関する標準規定に基づき、各国と締結している二重課税防止条約を順次見直し、租税回避に関する情報を内外当局に提供することになる。

 スイスの方針転換を受け、ゴードン・ブラウン英首相は「タックスヘイブンの終わりの始まり」と述べ、世界の潮流が変化していることを示唆した。実際、先に述べたように、スイス以外にもシンガポール、香港、リヒテンシュタイン、アンドラが相次いで銀行の守秘義務緩和の動きを打ち出している。

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