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米経済、底入れから本格回復の時間は

  • 勝藤 史郎

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2009年5月11日(月)

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 米景気の回復が、ささやかれている。だが人によって回復のイメージは違う。筆者のようなエコノミストが言う景気後退からの「回復」とは、通常はGDP(国内総生産)成長率が前四半期比でマイナスからプラスに転じることであり、これが2四半期続けばまず回復宣言ができる。

 しかし、この言い方はいわば「景気後退の終了」宣言であって、より一般的な言い回しでは「回復」というより「底入れ」に近い。企業経営者の観点からの「回復」とは、

 第1段階として設備投資の減価償却などの固定費を回収できるレベルの売り上げが回復して黒字環境に転換することが最低の条件で、第2段階として過去の好況期と同じレベルの売り上げを回復することが必要な条件であろう。

 その意味では「回復」はまだ時間がかかる。

「過去の売り上げ」水準までに回復は時間かかる

 まず昨今の状況は今年4月のFRB(米連邦準備理事会)地区連銀経済報告で示された「景気の悪化ペースが鈍化した」程度であって、景気そのものが上向いているわけではない。さらに、今年後半に成長が前期比でプラスに転化したとしても、企業業績に置き換えれば、1年半続いた売り上げの減少が、この1四半期に増加に転じた程度だ。

 それが損益分岐点を越えるという保証はない。製造業の設備稼働率が60%台にまで低下している現状では、相当の生産増がなければ黒字化できるまでの稼働率の上昇はすぐには見込めないだろう。「過去の売り上げ水準」になると、さらに話は遠い。

 前回の記事で論じたように、需給ギャップの解消に数年以上かかる計算である。簡単な例として、図に月次の小売売上高の推移のグラフを掲げる。これで見ると、現在の小売り売上高は、ほぼ2005年の水準にまで落ち込んでいる。これをリセッション入り直前の最盛期(2007年11月)のレベルにまで回復させるには相当の時間がかかることは直感的にも読み取れる。

 さらに重要なのは、景気が近々底入れするとして、そこには政府・中央銀行の財政・金融政策が依然大きな底支えの力となっていることである。こうした刺激策・支援策なしに経済が自立的に回復して、初めて厳しい意味での本格的景気回復と呼ぶべきであろう。

 その状況を、住宅市場を例に見てみよう。

初回購入者が増加、競売物件は通常の20%安で販売

 住宅市場は、米国経済の中でも今後比較的持ち直しへの道が安定しつつある分野だ。その理由の第1は、ここまでのあまりの大きな悪化により、もうそれ以上悪くなりようのないところまで来たこと。第2は、政府・中央銀行の支援策が底入れに大きな役割を果たしていることである。

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