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「輸出依存型体質」は是正すべき?

所得・雇用機会拡大のため日本経済に必要なこと

2009年5月14日(木)

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  •  最新のデータをもとに、本コラムの執筆陣である6人のエコノミストが日本、そして世界経済のこれからを読み解いた本『データで斬る世界不況 エコノミストが挑む30問』が出版されました。全部で30のテーマを設定。「7%に迫る日本の失業率」、「アメリカ経済はいつ反転するか」など、さまざまな手法で分析したデータを用いて、確かな視点で語られます。経済の基本的な仕組みや不況のメカニズムもわかりやすく解説します。

    小峰隆夫 他著、日経BP社、1800円(税別)


 世界金融危機という大事件が経済を大きく動揺させる中で、これが経済についての考え方や枠組みを大きく変えていくきっかけになるのではないかという議論が強まっています。いわゆる「パラダイム転換」論です。人々は「時代の転機」という壮大な議論を好むところがあるので、パラダイム転換論も人気があるのだと思います。

「外需主導型の成長が間違いだった」のか?

 私たちが大変大きな転機に直面していることは事実でしょう。しかし、重要な転機だからこそ、やみくもに時代の転換論を唱えるのではなく、「変わる部分と変わらない部分」「変革すべき部分と守るべき部分」を見極める必要があります。そうしないと「お湯と一緒に赤ん坊を捨てる」ことになってしまいます。

 吟味すべきパラダイム転換論はいろいろあるのですが、ここでは代表的なものとして、世界金融危機以後しばしば耳にするようになった「日本の輸出主導型、または外需主導型の成長が間違いだった。今後は内需主導型の産業構造に転換すべきだ」という議論について考えてみましょう。
 

「輸出」と「外需」は違う

 まず、多くの人が何気なく同義語として使っている「外需主導型」と「輸出主導型」は概念的に全く異なることに注意する必要があります。外需は「輸出-輸入」であり、輸出ではないからです。

 表1は、日本のGDP(国内総生産)成長率を内外需別寄与度に分けたものと輸出入の伸びを示したものです。

 「外需主導型」の経済というのは、外需が成長率を引き上げていることを指していますから、この表で外需寄与度が大きい経済を言います。一方、「輸出主導型」の経済というのは、輸出が経済活動をリードしている経済ですから、この表で輸出の伸びが高い経済を指すと考えられます。

表1 実質GDP成長率の内訳 (%)

暦年 GDP成長率 内需寄与度 外需寄与度 輸出の伸び 輸入の伸び
1998 -2.0 -2.4 0.4 -2.7 -6.8
1999 -0.1 0.0 -0.1 1.9 3.6
2000 2.9 2.4 0.5 12.7 9.2
2001 0.2 1.0 -0.8 -6.9 0.6
2002 0.3 -0.4 0.7 7.5 0.9
2003 1.4 0.8 0.7 9.2 3.9
2004 2.7 1.9 0.8 13.9 8.1
2005 1.9 1.7 0.3 7.0 5.8
2006 2.0 1.2 0.8 9.7 4.2
2007 2.4 1.3 1.1 8.4 1.5
2008 -0.6 -0.8 0.1 1.7 1.1

(資料出所)内閣府「国民経済計算」より

 この表で両者を比較してみますと、「外需寄与度」と「輸出の伸び」は時々異なった動きをすることが分かります。例えば、1998年の場合は、輸出は減っているのに外需はプラスの寄与度です。逆に、1999年は輸出が増えているのに、外需の寄与度はマイナスです。また、2007年の場合は、輸出の伸び率は前年より低くなっているのに、外需の寄与度は前年より高まっています。明らかに「外需主導」と「輸出主導」は違うのです。

 「輸出」という概念は誰でも分かります。では「外需」とは何でしょうか。そもそもなぜ輸入を引くのでしょうか。この点は次のように説明されます。

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「「輸出依存型体質」は是正すべき?」の著者

小峰 隆夫

小峰 隆夫(こみね・たかお)

法政大学大学院政策創造研究科教授

日本経済研究センター理事・研究顧問。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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