• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ECBが頼る“フリードリヒ大王の知恵”

2009年5月20日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 5月7日に開催された欧州中央銀行(ECB)理事会において、ECBは政策金利を0.25%引き下げるとともに、600億ユーロの「カバードボンド(担保付き債券)」を購入するという、「非標準的金融政策」に踏み切った。

 カバードボンドは金融機関が発行する債券のことで、彼らが保有する債権を担保に付けている。担保に付けられるのは、主に不動産や公共セクター、船舶向けの債権だ。

 世界の中央銀行が、社債CP(コマーシャルペーパー)、あるいは国債の購入に踏み切る中、ECBはカバードボンド購入というオプションを選択したのはなぜか。

240年目の「カバードボンド」に熱い視線

 カバードボンドの欧州での歴史は古く、ドイツでは1769年にフリードリヒ大王の命により発行されたのが最初と言われている。歴史はあるが、仕組みは決して古くさいものではなく、ある特定の債権を背景にした証券という点では、米英において一般的な資産担保証券(ABS)や不動産担保証券(MBS)と似ている。

 しかし、カバードボンドは証券化によりオフバランス化されるABSなどとは性質が大きく異なる。カバードボンドは発行後も金融機関の負債としてバランスシートに残り、同時に資産側には発行額に見合った質の高い担保を、一定量保持しておくことが義務づけられている。こうした高品質担保の貯蔵庫のことを、担保適格資産プールと呼ぶ。

 なお、業界団体の欧州カバードボンド・カウンシルによれば、2007年末の発行残高は2兆1000億ユーロで、ドイツ(8886億ユーロ)、デンマーク(3446億ユーロ)、スペイン(2833億ユーロ)、フランス(2001億ユーロ)の4カ国で発行残高の約8割を占める。最大の発行国であるドイツでは、カバードボンドはファンドブリーフ債と呼ばれている。

メリットは“サブプライム化”しないこと

 投資家にとってカバードボンドを購入することのメリットは、信用力の高さである。まず、カバードボンドは、欧州では多くの国で発行に際してや破綻時の資産隔離方法に関して各国ごとに法律が制定されている。さらに担保資産プールには国家による特別監査が適用され、担保の適格性が維持される。

コメント0

「Money Globe ― from London」のバックナンバー

一覧

「ECBが頼る“フリードリヒ大王の知恵”」の著者

吉田 健一郎

吉田 健一郎(よしだ・けんいちろう)

みずほ総合研究所 欧米調査部/市場調査部

1972年東京都生まれ。96年一橋大学商学部卒業、2012年ロンドン大学修士(経済学)。富士銀行(現みずほ銀行)新宿西口支店入行。98年同国際資金為替部にて対顧客為替ディーラー。2004年よりみずほ総合研究所に出向し、08年よりロンドン事務所長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック