世界各地の株式市場は3月上旬に底を打って以来、大きく上昇している。中国やブラジルをはじめ、一部の市場では2008年秋と09年3月に底値をつけた後で急反発した。
09年5月、ブラジルのボベスパ指数(サンパウロ証券取引所)は08年10月末と比べて75%上昇。中国・上海総合指数もほぼ同じ時期に54%値上がりした。3月以来、世界中の株式市場はおしなべて好調に推移している。
では、世界的な経済危機は終わろうとしているのだろうか。皆が一斉にまたもや楽観的になり、我々が抱える問題はすべてすぐに解決するのだろうか。
しない後悔、痛手を被る後悔
投機ブームは、投資家心理によって拍車がかかる。株価が上昇し、やり手の投資家が大儲けした話があちこちから出始める。すると、人々は他人の成功を羨み、株価の上昇は、さらに株価が上昇する予兆なのではないかと考え始める。
そして、ブームが長続きすることに対して疑いの目を向けていた人までが、市場に参加したい誘惑に駆られる。株価の上昇がさらなる株価の上昇を呼び、しばらくの間はこのサイクルが続くのだ。
ブームの時に投資を考えている人は、投資しないで後悔する可能性と、投資して痛手を被る可能性を天秤にかける。
正しい意思決定は何か、という問いに答えられるような権威ある識者はおらず、どの投資対象にどの程度投資すべきかについても、専門家の間に一致した見解はない。例えば株式3割に住宅関連7割とすべきか、それとも株式と住宅関連の比率を逆にすべきかなどといったことだ。しかし、これを見通すのははっきり言って不可能ではないだろうか。
そのために結局、投資しなかったために後で後悔することと、投資して失敗した時の恐怖という2つの気持ちを秤にかけて判断せざるを得ないのだ。ブームの最中は、これが積極的に投資する方向に判断が偏りがちである。
ロマンを持たせる物語
だが積極的に投資する心理が続くかどうか、十分に考える必要がある。3月以降は、株価上昇を除き好材料となる大きなニュースはないように思える。人は価格上昇に感化されがちな傾向があり、これがブームやバブルを生み出す背景にもなる。
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