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日本経済の「実力成長率」は?

「見かけ成長率」と実態との乖離に注意

2009年5月29日(金)

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 5月20日に国民経済計算(GDP)の新しい数字が公表されました。その結果は、2009年1~3月期の実質成長率が前期比年率マイナス15.2%という衝撃的なものでした。これは過去最大の落ち込みです。2008年10~12月期も同年率マイナス14.4%でしたから、日本経済は2期連続して戦後最大の落ち込みを経験したことになります。

 この結果、2008年度の実質成長率はマイナス3.5%となりました。これも年度としては戦後最大の落ち込みです。政府は2009年度も3.3%のマイナス成長になると見込んでいます。

 このように見てくると、日本の景気は当分「お先真っ暗」という状況のように見えます。しかし、上記のような見かけ上の成長率で景気を判断すると、とんでもない間違いを犯すことになりますので注意が必要です。なぜそうなのかを説明しましょう。

景気情勢の「今」は誰にも分からない

 まず「認識のラグ」に注意すべきです。

 景気予測はよく天気予報に例えられます。「エコノミストの予想は天気予報と同じで、しばしば間違える」と言われます。しかし、景気の予想と天気予報では決定的に異なる点があります。それは、「経済は現在の姿が分からない」ということです。

 天気であれば、現在、晴れているのか雨が降っているのかは誰にでも分かります。しかし景気についてはそうはいきません。現在の景気情勢がどうなっているのかは、実は誰にも分からないのです。それは、統計が分かるまでにラグ(時間の差)があるからです。例えば、5月に発表されたGDPの姿は2009年1~3月期のものです。つまり、経済の全体像であるGDPは、現実から1カ月半程度後になって初めて判明するのです。

 通常の経済であればこの程度のラグはそれほど気になりません。「1~3月期は景気が良かったのだから、5月現在でも景気は良いだろう」と考えていられるからです。しかし、現在は激動期ですから1~2カ月前と現在では景気の局面が変化している可能性があります。

 事実、2008年9月半ばのリーマンショック以後、世界経済、日本経済はかつて例を見ないほどの落ち込みに見舞われたのですが、そのことが分かってきたのは2009年に入ってからでした。

景気の局面が変化したのは3~4月頃

 実は現時点でも同じことが言えそうなのです。日本の景気はちょうど3~4月頃に景気の局面が変化した可能性があるのです。「それまでの激しい落ち込みが止まった」という局面の変化です。それは次のような指標に表れています。

 第1は、鉱工業生産の動きです。経済産業省の鉱工業生産指数は、2008年10~12月前期比マイナス11.3%(年率38.1%)、2009年1~3月同マイナス22.1%(同63.2%)というすさまじい落ち込みを示したのですが、2009年3月は1.6%の増加となり、同予測指数では4月、5月も増加が見込まれています。

 第2は、株価の回復です。株価(日経平均)は、2009年初めの9200円台から下落を続け3月上旬には7000円程度まで下がったのですが、その後は上昇基調に転じ、5月の連休明けには9400円を超え、年初来の高値を記録しています。

 第3は、個人のマインドが改善していることです。

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「日本経済の「実力成長率」は?」の著者

小峰 隆夫

小峰 隆夫(こみね・たかお)

法政大学大学院政策創造研究科教授

日本経済研究センター理事・研究顧問。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師