• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

利上げを論ずるのはまだ早い

  • 勝藤 史郎

バックナンバー

2009年6月12日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「5月分雇用統計」が6月5日に発表されたのを受けて、米国市場では金利がさらに急上昇した。10年物米国債利回りなど長い期間の金利急上昇は5月から見られていたが、今回の雇用統計直後には、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策への期待を反映する2年物の米国債利回りやFF(フェデラルファンド)金利先物が年内の利上げまで織り込むに至った。

 確かに5月分雇用統計によって、年末にかけて雇用減少幅がさらに縮小すること、来年初には失業率が10%レベルで頂点を打つことが見通せたと言える。しかし、FRBが年内に利上げに踏み切ると見るのはあまりに早計であろう。

 さすがに市場でも年内利上げを本気で見込む向きは少ないようだが、一方でインフレ懸念や新たなバブル懸念から早期の出口戦略を市場が期待することはあり得よう。だが、利上げは少なくとも来年の半ばくらいまではなく、それまでは超低金利、量的緩和が継続されるだろう。

 第1に、米国経済の今後の懸念はインフレよりもデフレである。

 米国では設備の稼働率が大幅に低下し、労働力の余剰が増加している。これらを経済全体に引き直したのが「GDP(国内総生産)ギャップ(需給ギャップ)」である。筆者試算によれば米国の需給ギャップは1980年代以来の大幅なマイナス(需要不足)になっている。

 同じくデフレ懸念から長期にわたり超低金利政策が取られた2000年代前半との比較でもそれはよく分かる。下のグラフから分かるように、需給ギャップ、消費者物価の低下傾向とも、現在は2001年以降のそれよりも相当に深刻である。

 量的緩和策は、通常の2倍に膨れ上がったFRBのバランスシートほどには市中のマネーサプライを増加させていない。これもインフレ懸念が薄い理由である。

 それどころか、むしろ現在のマネーサプライの増加は、民間企業や個人が貨幣を預金などの形で退蔵することで吸収されてしまっている。お金が供給されてもこれを使わないで将来のために取っておくという行動に出ている証しである。

コメント0

「Money Globe from NY(勝藤 史郎)」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック