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経営者よ、株主になめられるな

  • 久保利 英明

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2009年6月16日(火)

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 梅雨入りとともに、会社の定時株主総会の季節がやってくる。東京証券取引所によれば、3月期決算の会社が今年6月に開催する株主総会の集中日は26日。全体の49.3%の876社が、この日に開催するという。

 特定の日に株主総会が集中する比率(集中率)は、1995年には96.3%と100%近くだったが、その後は減少に転じ昨年は48.3%と50%を割った。ところが今年はわずかとはいえ、昨年より集中率が増加した。

(写真:大槻 純一、以下同)

 前期はリーマンショックから派生した世界的な不況で業績を大幅に悪化させ、無配転落や減配を余儀なくされる会社も増えている。しかし、業績悪化の責任追及を少しでも緩和したくなる気持ちが、集中率増加につながったとしたら、株主の不信感を増長させるだけ。

 マネーの暴走によって経済が痛めつけられ、社会不安が広がった今、我々が考えるべきは賢明なるマネーの育成だ。株主総会は、その重要な場である。金融資本主義の次なるモデルを模索する中で、会社は株主総会でいかなる対応をすべきかが今回のテーマだ。


 膨張したマネーの暴走によって瓦解した金融資本主義。この一連の変化の中で、会社経営もマネー支配からの解放、平たく言えばここ最近、強調されてきた株主重視の姿勢から転換が必要ではないか、というムードが生まれている。

 会社の永続には、株主、経営者、従業員の力関係を均衡させる必要があるという考えに立てば、確かに株主重視に寄りすぎれば齟齬を来す。ただし、3者の均衡点を模索する中で、肝に銘じておかねばならないのは、株式会社である限り、会社は経営者でも、従業員のものでもなく、株主のものであるということ。

 それは金融資本主義の破綻で、いっそう明確になった。サブプライムバブルに乗って破綻したリーマン・ブラザーズに、公的管理に入ったAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)。彼らのせいで大きな損失を被ったのは、会社の持ち主である株主だ。

株主というより経営者の強欲で消滅したリーマン、AIG

 リーマンやAIGの顛末は、行き過ぎた株主重視というより、経営者そして一部の社員の強欲がもたらした。これらの経営者には、株主のために利益を追求し株価を上げてきたのだ、という言い訳もあるだろう。

 だが、それは方便だ。株主のためなら、レバレッジをかけて高いリスクの商品を抱え込むような危険を、本当に冒すだろうか。

 自分勝手なのは、経営者だけではない。米GM(ゼネラル・モーターズ)がチャプター11(米連邦破産法)適用の申請に至ったのは、言われているように、従業員が医療年金にかかわる“利権”を頑ななまでこだわったことが大きい。

 もちろんリーマンやGMの株主が、経営者や従業員の強欲を抑えることができなかったことにまったく非がないわけではない。ただ、株主が常に合理的で適切な対応を取る、と期待することには無理がある。

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