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欧州の景気回復に3つの懸念

2009年6月18日(木)

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景気はどちらを向いている? ロンドン金融街「カナリーワーフ」の信号 (撮影:池田琢磨)
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 ここ3カ月ほどで、欧州経済を巡る環境は大きく変わった。ユーロ圏の1~3月期の実質GDP(国内総生産)成長率は前期比マイナス2.5%と、1995年の統計開始以来、最大の縮小だった。英国でも、同マイナス1.9%の大幅な落ち込みとなった。しかし、このような急激な景気下降局面から、まだ非常に低い水準ではあるが、最近、経済活動が下げ止まりつつあることを示唆する指標が広がっている。

 例えば、企業サーベイから得られる景気先行指標は、在庫調整の進展によって4~6月期に入ってユーロ圏、英国ともに経済活動の縮小ペースが大幅に緩和していることを示唆している。


英国は最悪期を脱し安定局面へ

 まず、英国では4月の鉱工業生産指数が、単月とはいえ昨年2月以来、初めて前月比プラスに転じ、企業サーベイの結果が示唆していた景気の安定化を実測データで確認することとなった。景気悪化のペースで見れば、最悪期は既に過ぎ、安定局面に入ったと見なすことができるだろう。

 このような安定化をもたらした要因を整理すると、前述の在庫調整の進展に加えて、(1)資本注入や不良資産処理スキーム、大幅な金融緩和や積極的な流動性供給策など昨年秋以降の当局による金融システムに対するテコ入れ、(2)自動車買い替え促進策などの政策効果、(3)大幅利下げに伴う利払い負担の軽減や、エネルギー価格の前年の大幅な高騰の反動を主因にしたインフレ率の低下が、失業率の上昇にもかかわらず実質ベースの所得の伸びを下支えしていること、などを指摘できる。

 また、有力な輸出先として育っていた中・東欧新興国における資本流出に伴う急激な景気下降懸念も、国際的な支援の枠組みが整えられるにつれて沈静化しつつある。さらに、1~3月期までの在庫調整に、昨年秋以降の金融危機の深刻化を受けた行き過ぎがあったとすれば、経済活動や金融市場の安定化は、適正水準に在庫を引き戻すための生産活動の一時的な回復さえ可能にするかもしれない。実際、ノムラ・インターナショナルは英国の4~6月期の成長率の見通しを前期比マイナス0.5%から横ばいに見通しを上方修正した。

家計のバランスシート調整が消費に冷や水

 一方、ユーロ圏では、英国と同様に企業サーベイ結果の改善が見られてきたにもかかわらず、4月の鉱工業生産指数は前月比マイナス1.9%と大幅な落ち込みとなり、景気の安定化を判断できるようになるまでにまだ時間がかかりそうだ。また、在庫調整が一服しても、それが持続的な回復に転じるためには最終需要の拡大を待たねばならない。

 この点から見ると、持続的な景気回復には、大きく3つの懸念が残っている。

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「欧州の景気回復に3つの懸念」の著者

池田 琢磨

池田 琢磨(いけだ・たくま)

ノムラ・インターナショナル

野村総合研究所、郵政研究所、野村総合研究所アメリカ、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルを経て、2007年より現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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