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オバマ改革、いよいよ本丸医療へ

医療制度改革と財政再建は両立できるのか?

  • 安井 明彦

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2009年6月26日(金)

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 米国議会では、バラク・オバマ政権が最重要課題に位置づける医療制度改革の議論が本格化してきた。成否のカギを握るのは、財政再建との折り合いをつけられるかどうかだ。

医療制度改革に1兆ドル超の財政負担

 医療制度改革の議論が始まった途端、米議会に衝撃が走った。

「2010~19年度の財政負担は1兆ドル(約96兆円)。しかし、改革によって減少する無保険者の数は2019年度の時点で30%程度にとどまり、3700万人は無保険のまま」

 エドワード・ケネディ上院議員が委員長を務める「健康・教育・労働・年金委員会(Health、Education、Labor and Pensions Committee、通称HELP委員会)」が最初に用意した法案に関する米議会予算局(CBO)の評価結果が公表されたのだ。

 「これほど財政負担が膨らむというのに、解消されない無保険者の数が多すぎる!」。共和党議員の強烈な批判が、オバマ政権の最重要課題を襲った。

 政府の役割の大小や企業負担増の是非など、医療制度改革を巡る論点は多い。中でも経済危機の出口をにらむ米国にとって大きな悩みの種となっているのが、改革による財政負担の重さである。

 「(最近の長期金利の上昇は)巨額の財政赤字への懸念を反映しているように思われる…健全な財政を維持するという強い意志を示さない限り、金融の安定や健全な経済成長は成し遂げられない」

 米連邦準備理事会(FRB)のベン・バーナンキ議長が下院予算委員会の公聴会でこんな警告を発したのは、HELP法案へのCBOの評価が発表される約10日前。膨らむ財政赤字に注目が集まる中で、財政再建との兼ね合いという大きな壁が、医療制度改革の前に立ちはだかっている。

医療費の増大が赤字膨張の主犯格

 医療制度改革と財政再建は切っても切れない関係にある。中長期的な視点から見れば、医療関係の歳出こそが米国の財政事情を悪化させる「主犯」だからである。米国の医療費は経済成長率を上回る速度で上昇している。税収の水準は経済の規模に左右されるので、このまま医療費の伸びが成長率を上回り続ければ、財政赤字は確実に膨張する。

 足元の財政赤字の急拡大は、米国財政が抱える問題を見えにくくしている側面がある。いくら巨額だとはいっても、今の財政赤字には景気の回復に伴って減少していく部分が少なくない。税収減などのビルト・イン・スタビライザー効果はいずれは薄れ、景気対策などの裁量的な政策も収束に向かうだろう。

 しかし、医療費はそうはいかない。CBOの予測では、米国の財政赤字はいったん減少に向かうが2013年度から再び増加に転じる(グラフ参照)。医療費の高騰に歯止めがかからない限り、経済危機が過ぎても、米国財政の課題は消えない。前述のバーナンキ議長の証言が焦点を当てていたのは、こうした構造的な赤字の拡大なのである。

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