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株主総会はセレモニーから「本気の対話」へ

2009年7月6日(月)

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 株主総会ラッシュの時期が一段落しました。教科書的に言えば、株主総会は、経営者と株主の「本質的な対話の場」です。企業統治(コーポレートガバナンス)の原点です。

 現実はどうでしょうか。

 意外に思われるかもしれませんが、アナリスト・機関投資家の間で、株主総会が話題になることはほとんどありません。株主総会に出席したことがない人がほとんどではないでしょうか?

 私自身、証券会社のアナリスト時代に株主総会に出たのは、入社数年目の頃、自社の株主総会の運営要員で駆り出された時くらいです。機関投資家も議決権の行使はできますが、株主名簿は信託銀行名義なので、株主総会に参加することができません。つまり、株主総会の中心は個人投資家です。

いい株主総会に、いい投資家が集まる

 恥ずかしい話ですが、私が株主総会の重要性に気づいたのは、証券会社のアナリストの仕事を離れてからでした。2000年頃に、ウォーレン・バフェットが会長兼CEO(最高経営責任者)を務める米投資会社バークシャー・ハザウェイの株主総会のことを聞いて、日本とはずいぶんと違うことに気づいたのです。今では、かなり有名になりました。

 ご存じの方も多いとは思いますが、バフェットの株主総会は田園風景が広がる米ネブラスカ州オマハにあるスタジアムに、世界中から株主が集まり、1日かけていろいろなことを対話しています。高齢のバフェットと共同経営者のチャーリー・マンガーが、一つひとつの質問に丁寧に答えるというスタイルです。

 私自身は参加したことがないのですが、参加した知人たちは皆「バフェットが語る投資哲学の神髄や経済動向の見方に直接触れることができて、とても良かった」と口を揃えます。バークシャーの株主はほとんどが個人、その95%は5年以上保有していると聞いたことがあります。いい株主総会をする会社には、いい投資家が集まるという好例ですね。

 さて、日本の株主総会に目を転じてみましょう。確かに日本企業の経営者にとっても、以前から「株主総会は重要なイベント」と位置づけられていました。しかし、意味合いは全く違います。

 ゴールは、総会屋にかき回されないこと。KPI(重要業績評価指標)は、総会の時間の短さでした。総会時間が長いことは、悪いことのように考えられていました。「株主との対話」とは対極でした。総会を短くするため、例えば、以下のような手段が講じられました。

1. 他社と同じ日に総会を開く(3月決算企業の95%集中日開催でした)
2. 前列に社員株主を座らせて議案に対して「異議なし」と大声で叫ばせる
3. 事前に総会屋対策をする

 アナリスト・機関投資家が株主総会に関心を持たなかった理由の1つに、こうした企業の姿勢があったことは否めないでしょう。こうしたシャンシャン総会から変わり始めたのは、2005年くらいからだと思います。

 国内外のアクティビスト系のファンドがいくつかの会社の大株主となり、利益配分拡大を求める株主提案、議決権行使などが盛んになりました。取引関係を考慮して、議案に反対することはあまりなかった持ち合いの解消も進みました。

 アクティビストは容赦ありません。賛成票・反対票を集めるプロキシーファイト(委任状争奪戦)まで発展するケースも出てきました。

 標的とされた会社は、シャンシャン総会を変えざるを得なくなりました。業績改善、資本の使途などをしっかり説明しなければ、過半数の賛同を得て、議案を通せないからです。総会集中日比率は50%くらいまで低下しました。「異議なし」の異様な光景もずいぶんと減ったようです。いわゆるアクティビストは、一時ほどの勢いはなくなりましたが、もう元には戻らないでしょう。

200ページに及ぶ招集通知

 私自身が、潮目の変化を感じたのは、昨年、エーザイの招集通知を見た時でした。一般的な招集通知は20~30ページ、大企業でも40~50ページというイメージです。ところが、エーザイは200ページを超えます。

 内容も充実しています。例えば、取締役の選任の議案に対して、取締役候補の候補者とする理由、実際の取締役としての活動、本人からのメッセージなど、16ページを割いています。また、「大型製薬の特許満了にどう対応するのか」「株式の相互保有の理由」など、踏み込んだ内容の想定質問のページは、通常の招集通知では見たことがありません。

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