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出遅れが目立つ米国景気対策の効果

  • 勝藤 史郎

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2009年7月9日(木)

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 景気回復局面でのデカップリング(非連動)期待が頭をもたげている。アジア新興国の景気回復の意外な速さに比べて、米国の持ち直しは出遅れ感が目立つ。

 米国の底入れの相対的な遅れは、主に経済刺激策の効果の違いにあると見ている。さらに、グローバル経済と言えどもまだ政府依存型の底入れに過ぎないことは認識しておくべきである。

リアルタイムの指標は下を向いたまま

 米国景気は、その悪化ペースが弱まったことは確かだが、まだ景気の底入れはほとんど具体的な数字に表れていない。

 鉱工業生産・雇用がいずれも約1年半にわたり減少中であるほか、実体経済の動向をリアルタイムで表す指標(景気一致指数)はまだ下を向いたままである。

 これと対照的に経済の底入れのペースが速いのは日本を含むアジアである。

 日本では鉱工業生産指数が大きく反発し、景気の底打ちが少なくとも現状では具体的な数字に表れている。中国も景気刺激策の効果が世界でもいち早く実現していて、自動車・テレビを中心とする個人消費と、種々の社会インフラ投資の両方が急激に拡大している。

 こうした、米国の現状の立ち遅れの理由の大きなものは政府による経済刺激策の効果の波及度合いにあると見ている。

セーフティーネットの役割にとどまる

 バラク・オバマ政権が2月に成立させた総額7870億ドルの景気対策のうち、まず個人に対する減税・給付金は、その配布がおおむね完了した。しかしこれまでその効果はほとんど表れていないと言っていい。

 第1図は、米国の税引き後の可処分所得の推移とその増減の内訳である。雇用減少により、賃金など雇用者報酬の伸びは低下を続けて、ついに減少に至っている。これを補っているのが経済刺激策による減税や給付金である。結果所得の伸びは何とか保たれているものの、そのほとんどは政府の財政政策による底支えである。

 こうして入ってきたお金を米国の消費者はほぼすべて貯蓄に回している。可処分所得の伸びと貯蓄率の伸びがほぼ同時に起きていることは、結果的に減税や給付金が景気拡大にほとんど効果を表していないことを示唆している。

 また、景気対策法による一時的な税還付や給付金支払いはほぼ終了が近いから、むしろ今後はその効果の剥落が消費の伸びを抑制することになるだろう。

 つまりオバマ政権の個人向け減税は、リセッション(景気後退)による個人の収入の減少を政府からの還元で補うというセーフティーネットの役割は達成しているが、マクロ経済の積極的な拡大にはまだ寄与していないのである。

自動車買い替えインセンティブも反発力を欠く

 米政府は、景気対策により2010年の米国のGDP(国内総生産)成長率が約3%押し上げられるとしている。筆者の試算では、消費者が追加的収入の70%を消費に回せば3%の成長率押し上げも可能な計算となる。

 しかし、現状では追加的収入の70%を消費に回すとはとても考えられない。筆者は2010年の成長率押し上げ効果は1%前後にとどまると見ている。

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