自分の大切なお金の行く先を見届けたい、納得のいく事業に役立てたいという、「意思のあるお金」が少しずつ動き始めています。その1つが、自然エネルギー事業を行う際の資金調達を、市民出資で賄うという取り組みです。第1号は2001年に事業を開始した北海道浜頓別町の風力発電事業です。
市民が出資する自然エネルギー事業
仕組みは、匿名組合契約を利用して一般市民からの出資によって資金調達を行うというもので(市民出資スキーム)、担保もなく自己資金も乏しい中、NPO法人(特定非営利活動法人)北海道グリーンファンドが考案しました。匿名組合契約では、組合員となる各出資者と事業を行う事業者とが結ぶ契約で、組合員が事業者に出資し、事業者が事業から発生する損益を分配することを定めています。
出資者への分配金は事業の業績により左右され、元本保証も配当の保証もありません。ただし、組合員の責任は出資限度額にとどまり、事業が不成功だったとしても追加の出資義務が発生することはありません。
その後、この仕組みを利用した市民風車が各地に作られ、風力発電だけにとどまらず、長野県飯田市の太陽光発電と省エネ事業、岡山県備前市のバイオマス熱供給と省エネ事業にもこの仕組みが応用されています。
「おひさまファンド」に見る市民出資の形
ここでは「おひさまファンド2009匿名組合」を取り上げます。投資対象となる事業は環境省のモデル事業として選定されており、初期投資には補助金が出ています。残念ながら、現状では補助金がなくては収益を上げるのが難しいようです。
募集区分はA号匿名組合契約とB号匿名組合契約の2種類。A号はメガワットソーラー共同利用モデル事業として、補助金を受けることが決まっています。B号は地球温暖化対策ビジネスモデルインキュベーター(起業支援)事業として、「おひさまファンド2009」の営業者であるおひさまエネルギーファンド3号株式会社が採択されました。募集口数はA号が652口6520万円、B号が20口1000万円です。
A号は太陽光発電事業で、32を超える公的施設や民間施設に太陽光発電を設置し、生まれた電力を販売します。B号は「グリーン熱証書発行基盤整備事業」です。
現在、自然エネルギー機器により生産される、大気を汚染しないグリーン熱の環境価値を証書化して取引する制度の構築が、グリーンエネルギー認証センターを中心に進められています。B号の事業は、グリーン熱を証書化するために必要とされる熱量の計測を行う機器の設置、及び計測したデータの集計・管理を行うシステムの構築を行うものです。このようにして構築したシステムを、グリーン熱証書の発行事業者に対してリースを行うことによって収益を上げます。
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