「「インサイター」になろう!〜会社がわかる、社会がかわる〜」

会社は「科学」と「アート」で分析する

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2009年7月27日(月)

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 私の手元に30年株価チャート集があります。これを見ていると、リーマンショック以前であれば、過去30年、どのタイミングで投資をしても収益を得ることができる企業が何社もあったことが分かります。

 では、これからの30年間で成長する企業を、どうやって私が見極めようとしているのか。現場で実践している企業調査の方法と着眼点を披露します。

価値創造を続ける企業とは

 30年間成長する企業とは、「30年間、持続的に価値創造する企業」と同義としてとらえていいでしょう。価値創造に必要な要件としては、大雑把ではありますが、次のように考えることができるのではないでしょうか。

 まず企業に情熱、ビジョン、戦略といった固有の根幹があります。ここに共感する社員が集まって、商品やサービスを生み出していく。顧客が対価を支払うことで、再生産できる循環のサイクルが可能となっていく――。

 それでは、どうやって、価値創造企業を見つければいいのでしょうか。職業的専門家としての調査の第1歩は、業績及び株価推移や中期経営計画資料、決算資料、証券会社の担当アナリストのレポートなどになります。

 まずは過去に尋ねてみる、というわけです。今後30年間の将来を検討するわけですから、同じ時間の長さである30年間の過去を理解するのが理想です。もちろん、創業して30年に満たない企業もたくさんありますので、その場合はなるべくさかのぼるように務めます。

 言うまでもなく、過去の成功パターンが将来も当てはまる保証は一切ありません。成功そのものにはとらわれないように、気をつけています。大事なのは、経営環境の変化に対して、どのような対応をしたのかです。社内のメンバーとのディスカッションで、自らの理解を深めていきます。

 これを踏まえて、該当企業のIR(投資家向け広報)担当者とのミーティングに臨みます。それは、企業の過去の歩みをともに振り返るプロセスと言ってもいいかもしれません。

 ですから、会社の業績見込みや現状の取り組みといった話だけでなく、IR担当者の方にご入社の経緯や当時の夢、その後のご経歴についてお伺いすることもあります。そこに良し悪しの価値判断はありません。

 この時、私たちは相手の方がなぜその企業を選ばれたのか、どのようなお仕事を担当されてきたのか、当時の経営者をどのように感じていたのかなどの質問をします。もしIR担当者が入社20年超であれば、入社からの20年間の歩みと会社の成長を照らし合わせて振り返っていくわけです。

 これは想像が広がる、とても楽しい時間です。どのように咀嚼するかは私たちの専門家としての力量次第ですが、その企業で働く方の情熱を理解するため、私たちなりのアプローチです。

役に立つ人材採用ページ

 伝統的な投資に関する教科書を開くと、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書を中心とする財務諸表を基礎にした財務分析、それらに株価を加え、バリュエーションと呼ばれる財務指標や株価指標を用いた分析が紹介されているのが一般的です。

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著者プロフィール

奥野 雄平(おくの・ゆうへい)

2002年、バリュークリエイトに入社し、経営コンサルティングやベンチャーキャピタルファンドの運用などを担当。2008年、コモンズ投信の立ち上げに参加し、投資信託の運用調査を担当している。



このコラムについて

「インサイター」になろう!〜会社がわかる、社会がかわる〜

「100年に1度」の世界同時不況を引き起こした金融不安。短期的な利益の最大化を追求する資本主義の限界が露呈した格好となった。では、これからの資本主義のあり方とは何か? その礎となる企業と株主の関係作りを考えていく。

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