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脱トリクル・ダウンの発想で潤う家計

世代内の“対立”生む可能性も

  • 内藤 眞弓

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2009年9月1日(火)

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 民主党の政策集を眺めていて感じることは「トリクル・ダウン理論」からの脱却です。トリクル・ダウン理論というのは、富める者が富めば、 貧しい者にも自然に富が浸透するという経済理論。人間の欲望には限界があって、豊かな所有者がより豊かになれば、自分の使用人の報酬などを引き上げるだろうと、アダム・スミスやリカードは言っているそうです。

大企業や高所得者への大盤振る舞いからの転換

 企業や高所得者に対して法人税や所得税を引き下げてきたのも、トリクル・ダウン理論を根拠としてのものでした。また、正規雇用から非正規雇用へ置き換えるなど、企業がこれまで負担してきた厚生年金や健康保険の費用もずいぶん減っています。

 非正規雇用への置き換えは、消費税のかからない人件費を減らし、課税仕入れである派遣会社などへの外注費へ置き換えることを意味します。このことにより、企業が負担する消費税は抑えられるか、場合によっては還付を受けることになります。

 このように、大企業や高所得者に対する大盤振る舞いが行われてきましたが、トリクル・ダウンは起こりませんでした。民主党が目指しているのは、トリクル・ダウンから方向転換し、富める者には応分の負担を課し、生活者の暮らしを直接支えるところに再分配しようということのようです。

 そして、これまで世代間の対立を煽りつつ、高齢者に対して行われてきた厳しい税制や医療制度の改革を軌道修正し、世代内の対立を呼び起こす可能性のある子育て世帯への手厚い支援などを行おうとしています。

 若者はいずれ高齢者になります。子どものいない人も、他人の育てた子どもの払う税金や社会保険料で老後を支えてもらいます。

 キューバは日本よりはるかに貧しい国ですが、高齢者に幸せでいてもらうことが、若者に将来不安を抱かせず、国への信頼をつなぐ秘訣だとか。不毛な対立を超える力強いビジョンを示し、連帯の社会づくりを期待したいと思います。

 民主党が掲げる政策が実現したら、私たちの家計や暮らしはどう変わるのでしょうか。

【子育て・教育関連】

● 出産育児一時金の見直し

 現在は医療保険から支給されている38万円の出産育児一時金(2009年10月から42万円)が、国からの助成金を加えて55万円に引き上げられます。妊婦健診が最大14回まで無料になっていますから、出産に関する費用はずいぶん楽になりそうです。まったく健診を受けない、“飛び込み出産”によるトラブルが問題視されていますが、そのようなケースがずいぶん減少するのではないでしょうか。

 併せて、周産期母子医療センターの機能を明確化し、産科病院とのネットワーク化を推進するなど、都道府県の責任で周産期情報システムおよび搬送先紹介システムの改善等の取り組みが示されています。

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