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「あるべき」ではなく、21世紀を拓くナレッジ

2009年10月5日(月)

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 1980年代にフランソワ・ミッテラン仏大統領の側近として名を上げ、90年代前半には欧州復興開発銀行の初代総裁を務めたジャック・アタリ氏と面会する機会がありました。最近では21世紀の新たな資本主義や民主主義のあり方などを予測している著書(『21世紀の歴史』)がヨーロッパで大ベストセラーとなり、本書に啓発されたニコラ・サルコジ仏大統領は構造改革を促す「アタリ政策委員会」を設置しました。

 アタリ氏はインサイトが豊富な世界級の知識人ですが、貧困問題の解決策として、「量」ではなく、借り手の真の「質」を要とするマイクロファイナンスに長年前から着目し、PlaNet Financeという世界的に活動するNPO(非営利組織)も設立している行動派でもあります。

「レバレッジ」から「ナレッジ」へ

 このように知識(ナレッジ)が、「あるべき」と考えることだけに留まることなく、具体的に行動につながることで21世紀の新たな社会が拓けてくるのです。

 レバレッジとは、成長を今買って(支払いを後回しにする)新たな展開を拓く手法です。有効ではありますが、レバレッジ資本主義には限界があり、また、危険性も抱えているという実態は昨今の金融危機が示してくれました。もちろんレバレッジの活用を否定すべきではありませんが、資本効率性の最大化を図っても、それが必ずしも賢い結末につながらないという認識も必要です。

 21世紀の資本主義において、新しい潮流になることを期待しているのはナレッジです。「レバレッジ」、「ナレッジ」と単なる語呂合わせをしているだけではなく、これからの投資家と投資先企業との関係の転換を示す資本主義への期待です。

 ここで言う「ナレッジ」とは、3つの視点があります。

(1)知識の共有 「モノ申す」だけではなく、双方的対話により共有する
(2)想いの共感 共感する価値観によって、「滴」が集まる
(3)ゆったりと育む 時間軸を使い、多方面から価値を創造する

 ナレッジ共感資本主義において企業の存在とは、短期的なレバレッジにより目先のカネ儲けをする「機械」ではありません。互いに知識を共有し、想いを共感し、余裕を持って育むパートナーという存在なのです。

(1)知識の共有

 「ガバナンス」という掛け声で数年前には「モノ申す」投資家が目立ちましたが、最近、存在感が薄れてきました。モノ申し続けられる側は相当疲れますし、モノ申す側も力尽きてしまい、結果的に株価どころか、企業価値を高めることを達成できたか議論の余地が残ります。

 企業価値を創造するのは「株主」ではありません。企業価値を創る主役は、経営者と従業員、そして、会社が提供する商品やサービスを評価して購入する最終消費者なのです。また、一方的に「モノ申す」ことは長続きしない恐れがありますが、双方的な「対話」であれば大丈夫です。

 ナレッジ資本主義の時代では運用会社が果たす役目も多様化し、企業価値を創造する主役同士が対話できる空間を築くという役目も重要になるでしょう。

 具体的には顧客の個人投資家に投資先の企業について理解を向上することを促し、その一方で、投資先の企業には個人(最終消費者)の視点や評価からの気づきを提供することです。運用会社の役目は、価値を創ることではなく、見えない価値を見えるようにするための知識の共有と言えます。

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