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超リッチが米国を救う?

「所得上位1%」が塗り替える米国経済の絵柄

  • 安井 明彦

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2009年10月22日(木)

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 米国では黄金時代を謳歌していた富裕層の暗転が話題になっている。

 富裕層といえども、経済危機の影響は免れないからだ。もっとも富裕層の苦境は長引かないという見方も根強い。バラク・オバマ政権の政策も、富裕層の境遇を気にかけるというよりは、その財布を政策運営の財源として狙っているのが現状である。

超高級品が売れない

 米国有数の高級百貨店ニーマン・マーカス。恒例のクリスマス商品カタログに「異変」が起きている。毎年話題を呼んできた超高額商品が姿を消したのだ。2000年には2000万ドルの潜水艦、昨年ですら1000万ドルの厩舎と競走馬を掲載していたこのカタログ。今年の最高額商品は2桁安い25万ドルの小型飛行機だった。

 ウォールストリート・ジャーナル紙によれば、同店の今年のカタログに掲載された商品のうち、ほぼ半分が250ドル未満だという。最近5年間の平均では30~40%程度が250ドル未満の商品であり、今年の全般的な低価格化は明白である。

 「異変」はケンタッキー州でも発生している。映画「シービスケット」の撮影にも使われたキーンランド競馬場。9月末に行われる1歳馬の競り市は、「競り市のスーパーボール」とも形容される一大行事である。しかし今年の結果は振るわなかった。主要な買い手である富裕層の慎重さが一因だ。2007年の実績と比べると売買頭数は17%減。平均価格も41%下落しており、売上高は半減した。

 こうした富裕層の慎重な消費行動は、力強い景気回復の障害になる。GDP(国内総生産)の約7割を占める個人消費は米国経済の原動力。その担い手は富裕層に偏っている。米労働省の統計によれば、2008年の米国の個人消費のうち38%が所得上位20%の家計によるものだ。

 富裕層の財布の紐は固い。ギャロップ社の世論調査によると、年収9万ドル以上の世帯による9月前半の消費額は前年を37%下回った。9万ドル未満の世帯(同28%減)よりも節約の度合いは大きい。

 ニーマン・マーカスの月間売上高は、前年比2桁減が1年以上続いている。高級品市場専門の調査会社であるユニティーマーケティング社の調査によれば、今年のクリスマス商戦についても、所得上位20%の家計の40%が昨年よりもギフト購入額を減らす予定だという。

経済危機は富裕層も直撃

 中間層や低所得層と比べると、富裕層は景気の浮き沈みによる影響を受け難いという印象があるかもしれない。しかし実態は必ずしもそうではないようだ。

 ノースウェスタン大学のジョナサン・パーカー教授らの研究によれば、1980年代以降の米国では、富裕層ほど景気動向に所得が左右される傾向が強い。雇用報酬や経営するビジネスからの収入の比重が高まっているからだ。金融機関の大型賞与のような業績連動型の報酬が広がっているのも、富裕層の所得が景気に左右されやすい要因である。

 パーカー教授らの試算によれば、景気後退期に所得上位10%の家計の所得が減少する割合は、平均的な家計の2倍に達するという。

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