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侮れぬユーロ圏内「不均衡」

2009年10月21日(水)

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 今年9月に米ピッツバーグで開催された主要20カ国・地域(G20)首脳会議では、「国際的な不均衡是正(インバランス)」が最重要議題の1つになった。

 発表された声明「強固で持続可能かつ均衡ある成長のためのG20の枠組」は、国際収支の不均衡是正の重要性を強調した。そして、赤字国に対しては輸出セクターの強化と民間貯蓄率の引き上げを、黒字国には内需振興を求めるなどしている。

 改めて指摘するまでもなく、是正措置の筆頭対象国は、米国と中国だ。

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 米国は世界の赤字(≒資本輸入)の約半分(43.0%)を抱え、一方の中国は、世界の黒字(≒資本輸出)の約4分の1(24.2%)を計上する。周知の通りの「巨大不均衡国」となっている。

ドイツは世界第3位の不均衡「大国」

 ところで、世界第3位のインバランス国がドイツであるとの一般認識は、やや低いのではないだろうか。

 ドイツは、世界の黒字(≒資本輸出)の12.9%を占める、中国に次ぐ世界第2位の黒字大国。すなわち、日本(同8.6%)以上に大きな対外不均衡を抱えているのが実像である。

 ドイツのインバランスの大きさに、やや意外感があるのは、「ユーロ圏は対外収支が均衡している優等生」という認識とのギャップが大きいからだろう。実際に、ユーロ圏の経常収支は過去10年間、対名目GDP(国内総生産)比で±1.5%以内にほぼ収まる均衡を維持している。

 また、しばらく前までは、欧州中央銀行(ECB)理事会の声明などでも、「ユーロ圏に特筆すべき不均衡はない」との文言が繰り返し盛り込まれていた。ユーロ圏の経常収支のサステイナビリティー(維持可能性)を疑問視する声は、特に上がってこなかったのである。

域内格差の自律調整メカニズムが欠如

 しかし、対GDP比±1.5%という均衡状態は、あくまでユーロ圏を総体として見たものであり、域内各国の個別の対外収支状況は、全く異なる様相を呈している。

コメント1件コメント/レビュー

世界経済のよりよい発展という視点に立つと、EUの構成国の経済発展の分析・情報ももっと必要だということを提起してくれるよい記事だと思います。特にドイツが世界第3位の「不均衡大国」という情報は多くの日本人の認識を改めさせるものではないでしょうか。ドイツの経済力の強さを再認識し、その強さを分析する情報がもっとあってよいのではと思います。(2009/10/21)

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「侮れぬユーロ圏内「不均衡」」の著者

武田 紀久子

武田 紀久子(たけだ・きくこ)

国際通貨研究所 経済調査部上席研究員

1989年、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入社以来、一貫して市場関連業務に従事。1999年、為替アナリスト班立ち上げメンバーに。以降、マーケット・エコノミストとしての活動を続けている。2015年10月より国際通貨研究所へ出向。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

世界経済のよりよい発展という視点に立つと、EUの構成国の経済発展の分析・情報ももっと必要だということを提起してくれるよい記事だと思います。特にドイツが世界第3位の「不均衡大国」という情報は多くの日本人の認識を改めさせるものではないでしょうか。ドイツの経済力の強さを再認識し、その強さを分析する情報がもっとあってよいのではと思います。(2009/10/21)

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