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人民元は過小評価されている

合成通貨「SDR」の役割は高まる

  • 市村 孝二巳

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2009年11月4日(水)

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■関連記事を日経ビジネス11月2日号特集「ドル最終章」に掲載しています。

 ―― 国際通貨基金(IMF)の合成通貨単位であるSDR(特別引き出し権)が次期基軸通貨候補として注目を集めている。

 加藤 IMFではSDRの取引を活発にする手段を取り始めている。今年8~9月に合計2800億ドル(約25兆円)のSDR建てローンを新たに配分した。

 これは今のクオータ(加盟国への出資割当額)の7割の規模で、特に低所得途上国には外貨準備の不足を補う有力な手段になる。外貨準備の為替リスクを分散したい中国などは外貨準備運用の多様化する方法の1つとしてIMFが発行するSDR建て債券に投資することを決めた。

中国も財政面からの刺激効果が剥落していく

加藤隆俊氏
国際通貨基金(IMF)副専務理事
1941年生まれ、68歳。64年大蔵省入省、93~95年国際金融局長、95~97年財務官。2004年2月から現職。著書は「円・ドル・元 為替を動かすのは誰か」

 加藤 中国人民銀行の周小川総裁の提案でSDRの役割に関心が高まった。準備通貨は使い勝手が良く、為替リスクをヘッジ(回避)でき、必要な時に市場から調達、運用できるといった点が重要だ。

 SDRは今のところ通貨当局間の取引に限定されている。これから民間の取引にも使われるような仕組みを考えていくことが中長期的な課題だ。

 ―― 今回のイスタンブールでのIMF・世界銀行年次総会では、中国が積極的に国際金融社会に加わっていく姿勢を一段と強調していた。名目GDP(国内総生産)は来年にも日本を抜いて世界2位になり、世界は人民元を無視できないという主張だ。印象は。

 加藤 やはり今の世界経済、現在の局面で中国経済の存在は大きなものだ。最新のIMFの世界経済見通しでは、先進国が今年は軒並みマイナス成長、日本はマイナス5.4%を予想しているが、中国は8.5%。おのずと中国の発言に注目が集まるのは当然のことだ。

 ―― 世界経済見通しでは2010年の日本の成長率が1.7%と、先進国の中では比較的高い。

 加藤 むしろ今年の落ち込みの谷が深いことが背景にある。在庫調整に伴う急激な減産がヤマを越え、かなり思い切った財政面での需要追加策に加え、日銀の金融面からの刺激策もあるし、近隣アジア諸国の経済が、米国や欧州と比べて高い成長率が見込まれるということが要素として働いていると思う。

 危機対応として20カ国・地域(G20)の仕組みができ、去年秋から程度の差は若干あるが、軌を一にして各国が大規模な財政面、金融面の刺激策を取った。それが来年にかけてそれぞれの国の民間部門の自律的な経済活動の活発化、設備投資、個人消費につながっていくかがもう1つよく見極めなくてはいけない点だ。

 ―― これからの中国経済の通貨、マクロ経済のリスクは。

 加藤 中国も例外ではない。今年の高成長率は公的部門の投資、財政面からの刺激による投資、銀行信用が非常な勢いで伸びたことに負っている部分が大きい。その効果がだんだん剥落する、あるいは定常化する場合に民間部門の設備投資が活発化していくかが注目点ではないか。

人民元の水準は相当程度過小評価されている

 ―― 通貨面ではドルにペッグ(連動)する操作をしているが、ミスアラインメント(相場と実体経済のずれ)が生じることはないのか。

 加藤 IMFは一貫して中国に人民元は相当程度、過小評価されていると言ってきた。中期的な均衡為替レートの姿からすると、現在の人民元の水準は相当程度過小評価されている。

 これに対して中国当局の言い分は「一貫して世界経済の安定化に寄与してきた。アジア通貨危機の時も人民元を切り下げなかったし、去年秋以来、質への逃避でドル、円が強くなったプロセスにおいて、多くのアジアの通貨がドルに対して切り下がったが、人民元は切り下げをしなかった」という立場だ。

 ―― 中国は為替制度をどう改革し、資本の自由化をどう進めるべきか。

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