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モザイク型地域自給圏をつくる

理想を掲げる一方で厳しくなる農家の生活

  • 内藤 眞弓

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2009年11月17日(火)

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 50年前の食卓は今と比べると、はるかに質素なものだったと思います。一般家庭には、冷凍庫はもちろんのこと、冷蔵庫も今ほど普及はしていませんでしたから、暮らしの場からさほど離れていないところで生産されたものが、日々食卓に上っていたのでしょう。

 現在では日本どころか世界中の食材が手に入り、とても豊かな食生活のように思えます。ところが、私たちが口にする野菜などは栄養価が大きく劣化しているのです。たとえば50年前と今のピーマンでは、ビタミンCを始め、各ビタミンの含有量がずいぶん少なくなっています(女子栄養大出版部『食品成分表』2訂~5訂より)。

(食べられる部分の100gあたりの成分値)

 なぜこのようになったかというと、昔はすべて堆肥で作物を作っていましたが、農薬や化学肥料によって土が疲弊していったからです。かつて農家には農耕用あるいは食用に豚や牛、鶏がいましたが、今ではほとんど見かけなくなっています。それらは村や土から離され、工場型の畜産になりつつあります。昨年話題になった映画「いのちの食べかた」では、野菜や魚、肉などのオートメーション化された生産過程が淡々と描かれていました。

 安価な食料を大量に供給するためには、ケミカル化でコストを限りなく抑制しなくてはならず、それは消費者のニーズでもあるわけですが、同時に安心で質の良いものを口にしたいというニーズを満たすことは難しく、悩ましい問題です。

 このままでは未来を背負う子どもたちの体が危ないとの危機感から、土と人間の関係を循環させ、50年前の栄養野菜を目指す「レインボープラン」という事業を行っている地域があります。山形県長井市、人口約3万5000人、世帯数約9000。9000世帯のうち約5000世帯が市内中心部に住み、約4000世帯が周辺地域で農業を営んでいます。

 市内中心部に住む約5000世帯すべてを対象に、週2回生ゴミを収集します。収集された生ゴミは堆肥センターに運ばれ、一次発酵、二次発酵を経て、約3カ月間かけて堆肥になります。また、農家の人が1トンあたり500円を支払って牛糞を置いて行くそうです。堆肥は原料が多様であればあるほど、養分の良いものになります。この堆肥を使って減農薬、減化学肥料による元気な土づくり、野菜作りを行います。

 レインボープランで作られたコメなどの農作物は学校給食に供給されたり、取扱店を通して生ゴミを提供してくれた消費者に帰っていったりします。レインボープランの副産物として、酒や豆腐などの加工品を生み出すなど、農家と異業種との連携をもたらしました。このような事業により、消費者は堆肥の生産者となり、生産者は堆肥の消費者となったのです。

 レインボープランの発案者は菅野芳秀さんという農家の方です(菅野さんのブログ)。

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