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米財政再建への地ならし

景気対策モードから緊縮財政への大転回はいつ?

  • 安井 明彦

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2009年11月26日(木)

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 2009年も終盤に差し掛かり、米国では来年の政策課題が話題になり始めた。重点課題の候補として急浮上しているのが財政健全化である。実際にバラク・オバマ政権が財政健全化への意欲を表明する場面が目立ち始めている。

 11月9日に米ABCテレビとのインタビューに臨んだオバマ大統領は、来年に注力する課題の1つに「長期的な債務への対応」を挙げ、「財政赤字削減への道筋をつけるために、少なくともその基盤となるようないくつかの真剣な取り組みを講じる用意がある」と述べた。

 これに先立つ11月3日には、予算編成を担当するOMB(行政管理予算局)のピーター・オルザク局長がニューヨーク大学で講演し、政権第1期が終了するまでに財政赤字を半減するための方策を検討中だと明言した。

 具体的な動きも報じられている。11月14日のAP電は「オバマ大統領は2010年1月の一般教書演説で歳出抑制に焦点を当てるようだ」としたうえで、演説に続いて発表される2011年度予算教書の編成作業の中で、政権は各省庁に「5%減の予算案」を提示するよう要請していると伝えた。

 このほか、11月13日のウォールストリート・ジャーナル紙は、金融危機対応のために設けられたTARP(不良資産救済プログラム)の一部を債務返済に充てることをオバマ政権が検討していると報じている。

「財政赤字恐怖症に幻滅」とクルーグマン教授

 あえてこの時期にオバマ政権が財政健全化を主要課題に挙げることには首をかしげる向きもある。

 確かに米財政は極めて厳しい状況にある。2009年度の財政赤字は米国史上最悪の1兆4170億ドル(約127兆円)。GDP(国内総生産)比でも10%となり、第2次大戦中以来の高水準を記録した。

 一方で、米国経済は危機の出口にようやくたどり着いたばかり。緊縮財政に急転回するための機が熟しているとは言いがたい。米プリンストン大学のポール・クルーグマン教授は、「米国経済が深刻な状況にあるにもかかわらず、ワシントンを財政赤字恐怖症が席巻している。驚きであると同時に幻滅する」と述べている。

 実際に米国では、追加的な景気・雇用対策の必要性すら議論され始めている。特段の政策変更がなくても、来年後半には財政が景気を下押しする時期がやってくる。これまでに打った景気対策の効果が剥落するからだ。それまでに自律的な回復の基盤が整わないと見るのであれば、引き続き政策的な対応を検討する必要が生じてくるというわけである。

3~5年後を睨んだ下地作りを開始

 もっとも、オバマ政権が2010年早々から緊縮財政への転換を目論んでいると見るのは行き過ぎだ。オバマ政権が視野に入れているのは3~5年程度を視野に入れた中期的な財政戦略である。具体策の議論が本格化しても、方針転換が現実化するのは2011年以降になるだろう。

 今、オバマ政権が練っているのは2011年度の予算教書である。「2011年度」が始まるのは2010年の10月。年明けの一般教書演説や予算教書の発表で、直ちに米国の財政運営が変わるわけではない。「半減」の目標となるのも2013年度。仮に目標が達成されたとしても、GDP比でみた財政赤字は4%弱となり、まだ平時の平均(約2%)よりも高い水準である。

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