「中国、独り勝ちの代償」

宋文洲です。北京で生活始めました

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2009年11月30日(月)

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 自動車販売台数、貿易輸出額、粗鋼生産量...。数々の分野で世界一に躍り出る中国。来年の予想経済成長率も9%と日米欧を大きく引き離す。しかし、急激な経済成長の影では過剰設備や貧富の格差拡大、産業の構造転換の遅れによる大卒雇用の低迷など、様々な問題への対応を迫られている。

 日経ビジネス2009年11月30日号では、特集「中国、独り勝ちの代償」として個別の経済指標を追うだけでは読み取りにくいリスクの実態と、その裏あるビジネスとしての勝機はどこにあるかを迫った。日経ビジネスオンラインでも、それに関連した内容を紹介していく。

 第1回目は、ソフトブレーンの創業者である宋文洲さんのインタビュー。中国人として初めて、創業した会社を東証一部上場企業にまで育て上げた異色の経歴を持つ宋さん。そのユニークな視点は、日経ビジネスオンラインで2006年4月〜07年6月に連載した「宋文洲の傍目八目」でも発揮され毎回、読者から大きな反響を呼んだ。

 宋さんは今年7月から生活の拠点を中国・北京に移した。24年ぶりに祖国に戻った宋さんの目に、現在の中国はどのように映っているのか。率直な感想を聞いた。

 ―― 久しぶりに祖国である中国に戻られました。宋さんの目には、今の中国はどのように映っていますか。

 宋文洲 僕が国費留学生として初めて日本に行ったのは1985年です。それからずっと日本に住んでいたわけですから、24年ぶりに中国に戻ってきたことになります。

宋文洲(そう・ぶんしゅう)
1963年中国山東省生まれ。84年中国・東北大学卒、90年北海道大学大学院工学研究科修了。92年ソフト販売会社のソフトブレーンを創業、2006年に同社取締役会長を辞し、現在は執筆や講演活動などを続ける。

 改めて感じるのは、今の中国はもの凄い勢いで経済が発展している。僕が日本に初めて訪問したのは1985年ですが、今の中国はその時の日本と同じような活気が感じられます。あの時の日本はバブルが始まる頃で、ものすごい活気があった。今の中国にもそうした雰囲気が感じられます。

 今の中国の発展の原動力はどこにあるのでしょうか。いろいろなことが語られます。その1つには、「この国のリーダーが優れているから」という主張がありますが、それには僕は懐疑的です。

 ほとんどの中国人はまだ貧しいですから、皆が豊かになりたいという気持ちが強い。これはマグマみたいな力を持っている。国の力はそこにいる国民の総和ですから、皆が豊かになりたいと願っている国は成長します。

 だから「指導者が優れているから、中国は高度に成長している」とは僕は思わない。そもそも高度成長期には、官僚主導の経済運営が適しているのは当たり前のことです。増え続ける富を分配するのは、強い権限を持った官僚が差配した方が効率的だからです。

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著者プロフィール
坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経BP社北京支局長。入社してから6年間はバイオテクノロジーの専門誌「日経バイオテク」で記者として修行、2004年に「日経ビジネス」に異動、以来、主に製造業を中心に取材活動を続けた。2009年から北京支局に赴任し現在に至る。趣味は上手とは言い難いがバドミントン。あと酒税の安い中国はビール好きには天国です。


このコラムについて

中国、独り勝ちの代償

 このコラムについて 自動車販売台数、貿易輸出額、粗鋼生産量...。数々の分野で世界一に躍り出る中国。来年の予想経済成長率も9%と日米欧を大きく引き離す。
 しかし、急激な経済成長の影では過剰設備や貧富の格差拡大、産業の構造転換の遅れによる大卒雇用の低迷など、様々な問題への対応を迫られている。
 個別の経済統計などの報道では読み取りにくい中国のリスク。それを回避し勝機にかえる方策が求められている。そのヒントを紹介する。本コラムは日経ビジネス2009年11月30日号p.24〜42に掲載している同タイトルの特集と連動しています。

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